家の近くに、その昔、瓦を焼いた窯の跡があります。
1968年に山林を開墾中に、7基の窯跡が見つかり、現在では20余基が確認されています。
天平13年(741年)に、常陸の国の国府に国分寺、国分尼寺を建立したとき、この窯で、瓦類をつくりました。地下式有段登窯の窯跡としては、日本有数のものだそうです。
窯跡は一ヶ所だけ掘ってあって、崩れないように屋根を掛け、フェンスで囲ってあります。訪れる人は、目撃したことはありませんが、一年に、延べ50人くらいでしょうか?それでも保存会の人たちが周辺の草を刈り、きれいに保っています。
発掘されたとき、窯跡からは、布目瓦など、多くの古代の瓦類が出土したそうです。
そして、いまでも窯のまわりには、石のような顔をして、たくさんの瓦の小さな欠片が落ちています。
数枚拾ってきて、洗ってみました。
布目がしっかりついていますが、布は、どんな材料で織られた、どんな布だったのでしょう。葛布か苧麻(からむし)か、それとも大麻だったのでしょうか?
また、瓦を焼いた人々は、どんな布の衣服をまとっていたのでしょう。
瓦の表です。下の方で、横に真っ直ぐ角度がついているのがわかります。
この欠片にも、ちょっとだけ布目のようなものがついています。
その表です。
国府だった場所の、国分寺も国分尼寺もとっくの昔に失われています。
華やかであったろう建造物はすべて消え失せ、規格に合わなかったのか、使われなかった瓦だけが今でも残っているというのも、おもしろい歴史の巡りあわせです。
古窯って、面白いですね。うちの近所と言っても、20キロほどのところに室町の古瀬戸を焼いた登り窯あるのですが、植物が繁茂すると、もうどこだか分らなくなりました。それが7年ほど前、伐採であたりが開けたらみつかりましたが、また植林で隠れちゃいました。
返信削除Shigeさん
返信削除この近くには、「瓦塚」という標識が、何ヶ所かあります。家の近くのも、整備してある窯がそれと分かるだけで、あとはどこだか、わかりません。
それでも、欠片が散らばっていて、なんか、ついこの前まで焼いていたような、不思議な感じが味わえます。