2015年3月13日金曜日

タイの野生のマメ科たち


古い友人のアンとイエンス夫妻は、タイが涼しい10月ごろから3月ごろまで、タイ南部のクラビで過ごし、デンマークが暖かいその他の季節はコペンハーゲンで過ごすという、優雅な生活を送っています。


そのイエンスが、クラビの市場の写真をたくさん送ってきました。
どの写真にも、魚、野菜、果物、お線香、ビンロウジュなどなど、懐かしいものが溢れていましたが、南部独特の、食材もいろいろありました。
「おやっ、この黒い豆のような、ヤシの実のようなものは何?」
お隣のサツマイモと比べてもグリーンマンゴーと  比べてもかなり大きな実です。
さっそく、イエンスに問い合わせてみました。

イエンスが、植物に詳しい友人に聞いてくれて、正体がわかりました。
タイ語では「ニエン」、学名Archidendron jiringa Nielsenという豆で、茹でて食べるのだそうです。


手持ちの、『PLANTS FROM THE MARKETS OF THAILAND』(CHRISTIANE JACQUAT著、D.K BOOK HOUSE、1990年)に、Archidendron jiringa Nielsen が載っていました。


ニエンは、樹高15メートルほどのマメ科の木で、若い芽や豆を茹でてナム・プリック(ナムプラーとトウガラシを混ぜたもの)をつけて食べるそうです。
莢もおもしろい形をしています。
 

タイ南部の野生の豆としては、サトー(Parkia speciosa Hassk.)が有名です、これはその季節には、バンコクでも食べられます。


でも、ニエンは知りませんでした。
タイ人は、野生植物を何でも食べる、山菜の達人のような人たちです。


『PLANTS FROM THE MARKETS OF THAILAND』には、市場で売られている植物がいろいろ載っていますが、
「こんなものを食べるの?」
と思うほど、森から、水の中から、道端から採ってきて、タイ人はいろいろなものを食べます。


マメ科の植物だけでも、何ページもにわたっています。


苦いもの、酸っぱいもの、全然癖がなくて、食感だけを楽しむもの。


短い季節だけ楽しめるもの、一年中楽しめるもの。


自然の中にしかないもの、今では栽培もしているもの。
中には垣根にしていて、その若い芽を摘み取って食べるものもあります。

タイ人は山菜をとくに生で食べるのですが、ニエンはジエンコル酸を含んでいて、生で食べると腎臓に悪いので、必ず茹でて食べるそうです。






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