2009年7月20日月曜日

亀の骨


川沿いの村から先住移動民のプナンの村まで4時間と聞き、サラワクの熱帯多雨林の中を歩いていたときのことでした。
ゴム草履や裸足の案内人たちが飛ぶように歩いていくのに比べ、日本人の私たち一行は、川にかかる一本の丸木橋の前ではまず呼吸を整え、両手を広げてバランスをとりながら、そろそろとおっかなびっくり渡ったり、川の中を歩いたあとは、防水靴の紐を解いて中の水を捨て、水と過歩行とでパンパンに膨らんだ足を無理やりまた靴に押し込んだりなどなど、時間のかかること、かかること。けっきょく11時間かかって、やっと村にたどり着いたときには、日も暮れかかっていました。

途中、何度か休憩しました。休憩中には、足元のアリや、擬態のナナフシを見たりしましたが、こんな骨が落ちていました。亀の骨だそうです。ハリネズミが衣替えをしたのか、その針も落ちていました。

熱帯多雨林の中は、高い樹冠が遮って日光が届かないため、すかーんと開けています。しかし、上は木の葉で埋め尽くされているし、木の幹の向こうには木の幹が見えるというのが重なって、木の幹が壁のように見えます。まるで幹の檻に閉じ込められたみたい、案内人がいなければ、四方が同じ景色の中で、道を失うのは簡単なことでしょう。

プナンの人たちは、似た葉の中から食べられる植物、薬草、毒草など見分け、水を含んだ木や竹を見つけて水を飲み、頭上に小動物を見つけると吹き矢で射て焼いて食べ、もうのびのび自由自在でした。

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