漢方薬局のKさんの庭の、生垣のヒメクチナシ(
Gardenia jasminoides var.
radicans.)の実をいただきました。
クチナシ(
Gardenia jasminoides var.
grandiflora.)やヒメクチナシの原産地は、日本や中国など、東アジアですが、ヒメクチナシは温帯だけでなく、熱帯(東南アジア)でも見られる、数少ない木の一つです。
私がほかに、熱帯でも温帯でも見た木といえば、ざくろ(
Punica granatum、西南アジア、あるいは地中海原産)と、夾竹桃(
Nerium indicum、インド原産)でしょうか。
もちろん、サルスベリとオオバナサルスベリのように、同じ科の木で、似たものはたくさんあります。
そして、標高は、どちらも同じくらいの、どちらかといえば低いところに生えている木を比べてのことです。
もっとも、最近では、私もライチーを戸外で育てていますし、パパイヤ、アボカドなども温室なしで、このあたりでも育つかどうかなどと言っているのですから、そのうち、熱帯と温帯の双方で見られる木はもっと増えるのかもしれません。
クチナシは、黄色い色に染めるのに使います。
我が家では、もう何年もお正月のきんとんは、母からもらう、長野県小布施の栗きんとんに決めていて、自分でつくっていません。ですから、今年もクチナシの出番はありませんでした。
クチナシを煎じて飲むと、黄疸や肝炎に効きます。やはり肝臓に効く、黄色い色素のウコンと同じかしらと早合点しそうになりましたが、クチナシの色素はクロチンで、ウコンの色素はクルクミンだそうです。
『原色牧野和漢薬草大圖鑑』に載っていた処方で、煎じてみました。約5グラムのクチナシに、水は400ccです。
ちょっと甘酸っぱいような、癖のない、飲み易いお味でした。
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