2011年2月18日金曜日

大実椰子





一番欲しい種はと聞かれれば、きっとオオミヤシ(Lodoicea maldivica)と答えるでしょう。オオミヤシはフタゴヤシとも呼ばれ、セイシェルにしか生えていないヤシです。

オオミヤシの種を初めて見たのは、バンコクに住んでいた頃、友人A & Jさんの家でした。オオミヤシは世界で一番大きい種で大きいものは20キロにもなりますが、J & Aさんのは、私の手を二つ揃えて並べたくらいの大きさの、黒いお尻のような、艶めかしい種でした。

「これどうしたの?」と聞くと、「セイシェルに出張してもらったんだ」ということでした。私は、夫にセイシェルに出張してもらいたくてたまりませんでした。

次にオオミヤシを見たのは、1985年、つくばで科学万博が開催されたときでした。スリランカからの客人を案内して行ったら、セイシェルの展示の中にオオミヤシがあって、6万円で売っていました。

6万円は無理すれば払えない金額ではありません。セーシェルでは、オオミヤシの販売は国が管理しているそうですから、セイシェルまで行っても、拾えるとか、安く買えるとかというものではなさそうです。
でも、自分の生活を鑑みて、種に6万円払うのは、良心(?)が咎め、結局手にすることはありませんでした。

三、四年前でしたか、ネットでオオミヤシの種を販売しているのを見つけました。申し込みのメールを書きましたが、送信せず、下書きとして保存だけしておいたら、コンピュータが壊れたり、なんだかんだで、そのお店も見つからなくなりました。やっぱり6万円くらいしました。

昨年、友人のA & Jさんを南タイに訪ねたとき、家はすっきりと余計なものがなく、オオミヤシの実もありませんでした。
「オオミヤシの実はコペンハーゲンに置いてあるの?」と聞いてみました。
彼らはコペンハーゲンをベースにしていて、寒い冬の間だけ、南タイで暮らしています。

「あれっ。どうしたかな。最近見ないなあ。あげなかったっけ?」
「もらってない、もらってない」
「あいつにやったかな?」
Jさんは、すぐに携帯で、地球の裏側の友人を呼び出しました。便利な世の中になったものです。
でも、その友人は、J & Aさんの家で、その種は見たことがあるけれど、もらってはいないということでした。




そんなことなら、もらっておけばよかった。後の祭りでした。

オオミヤシは、はるばると、日本の浜にも流れ着いたことがあったそうです。


6 件のコメント:

  1. フタゴヤシが6万ですか・・・オレなら買っちゃいそうです。
    石垣で漂着とのこと聞いていますが、誰かが近くで流したんじゃないかな??

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  2. Shigeさん
    そんな高いもの、誰かが流しますか?

    セーシェルまで行く航空運賃と、時間や何やかや考えたら、6万円て、よく考えたら高くないんだけど...。
    そこが男性と女性の違うところでしょうね。まあ、血液型の違いとかあるかもしれないけれど(笑)。

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  3. 私が知っているところでは、こちら
    http://www.h3.dion.ne.jp/~punctata/
    でオオミヤシの種子を売っていますよ。(耐寒ヤシのところを見てください)
    私にとっては買えないことはないけどやはりためらってしまう値段ですね。1億円とは言わない、100万円の宝くじでも当たればすぐにでも買ってしまうところですが。

    Shigeさん、もし買ったら私にもさわらせてください。発芽能力のある種子も売っているようなので、巨大な温室でも建てて栽培してみますか?(笑)

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  4. makinoさん
    ありがとうございました。
    このサイトでした。私が以前にチェックしたのも。でも、今回探したら、どうしても出てこなくて。
    なんか、買わなくても、買えるところがわかっているだけで、すっごい安心感があります(笑)。
    ココヤシのように、固い繊維で覆われているのかもしれませんが、私の見た二つは、つっるつるでした。

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  5. 僕も興味があって、このサイト経由で連絡してみましたが、今は使われていないのか、連絡取れませんでした。

    先日、偶然eBayでフタゴヤシ売られているのを見つけ、ついつい触手が伸びてしまいました。
    このサイトよりも安かったもので、つい。

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  6. Tomokiさん
    オオミヤシを手に入れたのですか?すごいですね。
    私は、一生、恋焦がれるだけです(笑)。

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