福島第一原発の、三号機が爆発して、放射線量が上がった日、息子に促されて、東京の息子の家に避難しました。
しかし、二部屋しかないマンションの居間に、犬二匹と猫を連れて長居するのは難しく、一旦帰宅し、犬猫も泊まれる格安のホテルを探して、再度家をあとにし、静岡県伊豆に一週間ほど避難しました。
犬は、一緒に出かけるのに慣れていますが、猫は慣れていません。
息子の家に泊まったとき、トレイと猫砂を買いましたが、そんなものを使ったことはないので、その夜は一度も排泄しませんでした。
さて、ホテルの部屋で、猫はうろうろして、夜じゅう鳴きっぱなしです。そして、疲れてしまって、昼はベッドの上で、何時間も爆睡です。
閉塞感を紛らすには、戸外の空気を吸うことが欠かせません。
しかし、猫は一度姿を隠したら、二度と出てこないだろうから、外に出るときは、洗濯ネットに入れたり、犬のリードを使ったりしていました。
しかし、リードは、すぐに上手に抜けることを覚えてしまいました。
困りました。
そんなとき、浜辺で、練習用の、ひものついたゴルフボールを拾いました。打ってもボールが紐からちぎれないよう、しっかり結びついています。
首輪に結びつけると、いい感じです。紐が長いので猫も嬉しいし、ボールが手に残るので安心です。
「大きな苦しみや悲しみには、小さなよいことや嬉しいことがつきもの」、というのは、インガルス一家の口癖です。今回の、小さな嬉しいことは、野生児のトラが、トレイでうんちやおしっこができるようになったことでした。
ホテルは、屋外の犬用トイレに出やすいし、あちこちにビニール袋やタオルが備えてあって、快適でした。
しかも、電話で受けつけてくれた人の手違いで、格安の被災者料金で、猫は無料でした。
3月11日の地震
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