2011年6月23日木曜日

バナナよ育て!





陶芸家のMさんからいただいたバナナです。親木(実際には木ではなく草)のわきから若苗が育っています。若苗は何本か猪にアタックされて折れてしまいましたが、それにもめげず、次から次へと出てきました。

庭にはどちらかと言えば在来の植物だけ、しかも園芸種ではなく、できるだけ原種を植えるのが好きな私ですが、ことバナナに関しては、話が別です。
数年前の陶器市で、陶芸家のIさんがお皿にバナナの花を入れて飾っていたのを見て、このあたりでも花を咲かせることができるのを知りました。
そこで、もともとはIさんから株を分けていただいたというMさんに、数年前に株分けしていただきました。

熱帯の植物ですが、Mさんの家からついてきた蕗と一緒に育っているのが、ご愛嬌です。




バナナの花は、ほろ苦く、かすかな酸味も感じられます。写真はタイのクロントイ市場で売られていたバナナの花です。

タイ料理のクィティオ・パッタイには、バナナの花を薄切りにした薬味が欠かせません。
今年の春の陶器市に、パッタイのお店が出ていました。うんざりするほど長い行列ができていましたが、パッタイ好きの夫は並びました。そして待つ間、次々と持ち去られるおそばをしげしげと観察しています。時間が経ち、夫の番が近くなってから、離れていた私を、手招きしています。
行ってみると、
「なんかちょっと違うか?不味そうかな。やめようか?」
と、ヒソヒソ声で相談します。
「そうねぇ。でもせっかく並んだんだし、ただの焼きそばだと思って食べてみれば」
と、無責任な私。
夫は、とうとうあきらめて列を離れ、前後の人から怪訝な顔をされていました。

確かに、おそばの太さが違っているようでしたが、パッタイにつきものの脇役もありませんでした。パッタイには、バナナの花は無理としても、ピーナツの刻んだもの、唐辛子の粉、ライム、砂糖などがつきものです。
もっとも、バナナの花だって、アメ横に行けば手に入りますから、絶対無理というわけでもありません。




一口にバナナの花といいますが、赤みがかった紫色のところは包葉で、このマグネットの左上に並んでいる細いもののの先についている、小さな白いのが花です。そして、この細いものが、一本一本のバナナに育ちます。




『原色牧野和漢薬草大圖鑑』の絵を見ると、もっとよくわかるでしょうか。

バナナが実るまでには、12ヶ月以上かかりますので、その間に冬が来てしまう日本では、熟れた実は、温室でもつくらないかぎり、収穫できません。
でも、バナナの花なら咲かせられます。

おいしい、クィティオ・パッタイを食べる日を目指して、今日もバナナを見ています。



2 件のコメント:

  1. へぇ~!この花からバナナがね~!
    全く知りませんでしたよ。
    花が咲くまでに大きくなると良いですね。

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  2. Shigeさん
    絶対花を咲かせる気で、育てています。冬があるので、実が熟れるまでは大きくなりませんが、一応、小さな実もできるようです。
    そうしたら、皮ごとスライスして、牛タンの薬味として食べたら最高です!今から、ヨダレが出そうです。
    なんて、がっついていたら、だめかも知れませんね(笑)。
    無心、無心!

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