2011年10月13日木曜日

ウッド・アップル





日曜日に、Murakaで一番気になったのはこれでした。
遠目に見ているだけでいいからと辞退したのですが、飾ってあった高いところから、降ろして見せてくださいました。




実は硬くて、まるで木を削ってつくってあるようにズシリと重く、まん丸ではなくていびつなところが趣がありました。ぶつかり合うと、コツンという乾いた音を立てます。
ひとつの直径は45ミリくらいです。

「勉強しますよ」
と、Murakaさん。
そう言われると、「買わない」と決めていた心がゆらぎます。
仕入れノートを確かめて、三割引にしてくださるとのこと、
「買っちゃおぅ」
というわけで、マコークとオオミフクラギとともに、この飾り物も、我が家に来てしまいました。

この実は、Feroniella lucida、タイ語でマサンと呼ぶそうです。Murakaさんは今回、種や実一つ一つについて、チャトゥチャックの木の実屋さんから、ちゃんと教えてもらってきたのです。
ミカンの仲間ですが、食べるのではなく、芳香剤として使われているというお話も聞きました。

次の日、手持ちの本をひっくり返してみました。学名とタイ語名がわかっているので、楽ちんです。




『PLANTS FROM THE MARKETS OF THAILAND』の中にありました。




Feroniella lucidaは、英語ではWood apple、落葉樹林に生える、高さが10-20メートルの木で、実は硬くて丸くて緑色です。
若い芽や葉は、ラープ(ラオス風サラダ)にして食べて、実も食べられるるそうです。




「ん?、Wood apple?」
忘却のかなたから、微かな記憶がだんだんよみがえってきました。
「あれかぁ」

針葉樹のような、葉の少ない直線的な木に丸くて緑の実がいっぱい生っているのを見て、
「あれは何?」
とたずねたら、傍らにいた人が、
「Wood appleだ」
と教えてくれました。
20年ほど前、場所はカンボジアのプノンペン郊外の農村ではなかったでしょうか。
教えてくれたのは、インド人のAさんでしょう。もしかしたら、Feroniella lucidaではなく、似ているFeroniella limoniaだったかもしれません。

どおりで、タイ語のマサンと言う名前に、全然聞き覚えがないはずでした。
カンボジアではよく見かけましたが、タイでは見かけなかったような気もします。




マサンの飾り物は、マコークと比べると、大きくてりっぱです!

それにしても、どちらもいくら硬めだとはいえ、置いておけば腐ってもしまう果実です。
よくできています。


2 件のコメント:

  1. この本、初見です。
    面白そうなので、購入してみようかな。

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  2. Tomokiさん
    ご存じなかったですか?
    説明も詳しいし、写真もいいし、とっても楽しい本です。こんなものまで市場で売られているのかとびっくりします。
    DKの本で1990年発売です。

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