2011年12月2日金曜日

Kさんの石



整体師のKさんも、田んぼを借りてお米をつくっています。
Kさんは、田んぼの脇の土手が崩れてしまっているのを気にしていました。地主さんにお願いしてもしゃきしゃき直してくれないので、先日、三時間ぐらいかけて自分でなんとかしたそうです。

やっと崩れたところを直し終えて、用水路の水がたまる場所で、使った鍬などを洗っていたたときです。Kさんは水の底になにか光るものを見つけました。
拾い上げてみると、丸い、美しい石でした。

「無償労働のご褒美だと思ったね」
とKさん。
「今年は、なんだかついてるよ。夏に軽トラックはただでもらっちゃったし、今度はきれいな石を拾ったし」




(治療)台に寝っころがっていた私は、Kさんの指差す机の上の、小さな人体模型の脇に置いた石を見ました。
メガネをかけていないので、はっきりとは見えませんが、光を通している、大きくて美しい石でした。

肉体労働の毎日を過ごしていると、疲労が回復しきれないときがあります。どうしようもないほどぼろぼろになったときに、門を叩いてみたのが、Kさんとのつき合いのはじまりでした。
それまでも、あちこちで鍼や指圧など、ときどき試していました。

Kさんによると、腕を使いすぎると、腕や肩の筋肉が硬くなります。すると血液やリンパ液の循環が悪くなり、腎臓に負担がかかって、腎機能が低下します。腎機能の低下が、さらに血液やリンパ液のスムーズな循環を妨げ、肝臓にも負担がかかってきます。
私の身体は、そんな状態でした。
そこで、腎臓や肝臓を活性化させ、そのときどきで胃や、肩などの疲れもとっていただきます。一時間やっていただくと、身体中がぽかぽかしてきます。

最初のうちは、ぼろぼろ状態になったときだけ看ていただいていました。しかし、そのうちあまり臓器に負担をかけないうちに、点検・整備・維持した方がいいと思い、今では一ヶ月に二度、看ていただいています。
生命保険にも入っていない私たち夫婦の、身体への保険です。




身体の整備(医師法により、医師免許を持たない人が行う行為を、治療とは言えない)が終わってから、手にとって見せていただいた石は、日本の石ではありませんでした。外国の、大理石を加工したものでした。
卵形をしていますが、置きやすいように、底は平らに削ってありました。

用水路でもまれて、日本の石がこんなに美しく形づくられたのなら、信じられないほどの快挙でしたが、大理石の卵が、用水路の底で光っていただけでも、それはそれで素敵なびっくりです。

それにしても、田んぼから近い農家の戸数は少なく、地域の人以外はほとんど通らないようなところで、誰がいったい石の卵を用水路に投げ込んだのでしょう。
田植えのときにはなかったとか、不思議なお話でした。



2 件のコメント:

  1. 不思議で素敵な拾いものです。
    本当に自然に磨かれたものではないのですか?
    誰かが投げた?
    いずれにせよ、拾い上げられて良かったですね。

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  2. toki-sappさん
    自然に磨かれたものでないことは間違いないでしょう。
    でも、Kさんはすごく喜んでいます。あれはきっとK家の宝物になりますね(笑)。
    子どもがうっかり落とすものでもないし、ほんとうにどうして用水路の中にいたのでしょう。不思議でした。

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