よく通る道の傍らに、色とりどりのジンジャーの畑があり、二本のアメリカデイゴの木が植えてあります。
今年は、枝を切った太い幹にビニールさえかけないで、アメリカデイゴは冬を越していました。
先日そこを通りかかると、軽トラックにジンジャーの枯れた茎を満載して、畑を後にしようとしていた、老夫婦にお会いしました。ここで、畑の持ち主に出逢うのは、初めてのことでした。
いい機会なので、(他人事ではありますが)なんの養生もしなくてもアメリカデイゴが大丈夫なのか聞こうと、車を降りて声をかけると、ぜひ自宅近くの畑を見に来ないかと誘われました。
ついて行ってみると、自宅近くには、よく手入れの行きとどいた畑があり、畑の周りに何本、何十本ものアメリカデイゴが植えてありました。
Kさん夫妻は、お二人とも70歳を過ぎているというのに、なんと三町七反もの畑を持っていて、今もご夫婦だけで耕されているとのこと、その十分の一にも満たない土地の維持だけで青息吐息の私たちとは大違いの、年季の入った農業者でした。
かつては一町五反も桑を植えて養蚕をやり、タバコ栽培もやって子どもを育てあげ、今はアメリカデイゴの苗や、ジンジャーの株など売っている、つまりアメリカデイゴやジンジャーは趣味として育てているのではなく、生業として育てていらっしゃったのでした。
その日の作業は、薬草(まだ秘密の薬草らしい)の間にジンジャーの枯れた茎を敷くことでした。作物の虫よけになるのだそうです。
畑の周りのアメリカデイゴの、太いのはどれも短く切られていますが、もう芽を出しているのもあり、出してないのもありました。
根を割って増やしてある、まだ幼いアメリカデイゴは、Kさんの話では冬の間はまっすぐ植えないで斜めにしておくと、新芽が出るのが早いということでした。
斜めに植えるってどういうこと?
一本売っていただくことになって、 掘りあげたアメリカデイゴの根を見て合点が行きました。
太い根は、コテンパンに切られているのです。これなら、斜めにして植えておくのが、造作もないことでしょう。
というわけで、日本原産の植物だけにこだわりたいと思っていた我が家の庭に、アメリカデイゴがやってきました。
バナナ(芭蕉?)や、ジンジャーはあるし、ライチーも順調に育っているので、当初の思いとは違って、国際色豊かな(=無節操な)庭になりつつあります。
冬が来る前に、せっかく伸びた枝はすっかり切り落とさなくてはなりません。できるでしょうか?
そうそう、こんなに枝を切り落としているせいか、豆はほとんど生らないそうです。
Kさんはジンジャーは、13種類も育てていらっしゃいました。
ほかにも、ご自宅(茅葺!)の庭にはモッコウバラがいっぱいあって、今を盛りに咲いていました。野草もいろいろあり、いつまでも眺めていたい楽しさでした。
それにしても、メタセコイヤはともかく、大きなユリノキが三本も植えてあるなんて、お庭の広さもさることながら、お若いころから、好奇心旺盛、植物好きのお人柄が伝わってきました。
0 件のコメント:
コメントを投稿