2013年10月16日水曜日

山繭

お隣の木工家、くみさんのご両親が和歌山からいらっしゃったのを機に、みなさんで我が家を訪ねて来てくれました。

我が家は、舗装道路から坂道を上ってきますが、くみさんの家は、舗装道路から平らな道を100メートル以上入ったところにあります。
その道の山側には、もとから大きなクヌギ、コナラ、山桜など生えていて、道は木の枝のトンネルになっています。
その道で、くみさんがよく山繭を拾うという話を聞きました。
「とってもきれいな緑色よ」
「えっ、拾ったことないわ。ウスタビガの繭じゃないの?」


と、くみさんに以前mmerianさんが送ってくださったウスタビガの繭を見せました。
「違う、違う。これは見たことがない。 山繭はもっと大きいかな。落ちているものだから、全部食い破られているけど」
「わっ、見たことないよ」
「織りものをやっている友だちに見せたら、糸は採れないけれど、集めて煮てほぐすと真綿がとれるって」
「そんなにたくさん落ちているの?」
「もう、ビンいっぱいたまった」
「ひぇぇえ」


次の日、くみさんが山繭を持ってきてくれました。
「大きい!」
確かに、ウスタビガの繭とは色は似ているけれど、全然違います。


大きく、小さく、食い破られた跡があります。


以前、mmerianさんがブログで紹介されていた、『繭ハンドブック』(三田村敏正著、文一総合出版、2013年)を見てみました。

『繭ハンドブック』によると、ヤママユ(テンサン)は長さが4センチから6センチあるそうです。でかっ!
六月から九月にかけて、クヌギ、コナラ、ミズナラなどの葉を綴って繭をつくります。このころは、葉と同色でとても見つけにくいそうです。
落葉した秋から早春にかけては見つけやすいのですが、このときの繭は色褪せて、淡い黄色になっています。そして、冬の雑木林では、落ちている繭が見つかるのだそうです。
そうか、二つの繭の色が違うのは、木から落ちた時期が違っていたのでしょう。

長い間首を動かさなかったので、今はあまり上を向けないのですが、この冬、クヌギを見上げる楽しみができました。


それにしても、養蚕の繭は日本では白、タイでは鮮やかな黄色、山繭は緑と、いろいろあるものです。
ちなみに、熱帯の黄色い繭は煮て糸を繰ると色が褪せ、水をくぐるたびに白くなっていきます。



2 件のコメント:

  1. この緑の繭で糸が紡げたら美しいだろうなぁっていつも思います。糸を吐きながら繭を紡ぐ幼虫の姿、何度見ても神秘的ですよ。

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  2. mmerianさん
    山繭も煮ながら繰ると、やっぱり白くなるのでしょうね。
    繭を紡ぐ幼虫の姿は、小学生の頃見たことがあります。桑の葉をどこかからもらいながら育てた蚕が繭をつくり、それが蛾になってたくさん卵を産んだときの当惑(笑)、桑がないのでどうしようと、川に捨ててしまったような気がします。
    東南アジアの養蚕の繭はもっと細くて小ぶりです。小枝を入れておいてやると、黄色い花が咲いたように末をつくります。
    山繭は、パキスタンあたりのでもやはり大きいのでしょうかね?

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