昨年の春のこと、ゆうこさんたちが遊びに来たとき、ちょうどホオもトチも葉を伸び伸びと茂らせている時期でした。
ホオ葉団子の話になって、
「トチの葉で包んだお団子もありますよ」
とゆうこさん。
「へぇぇ」
と感心していたら、後日、あれはトチの葉ではなくて、やっぱりホオの葉でした、というメールがあり、写真が添えられていました。
そうか、枝についたままの形をしていれば、一見トチの葉と間違えても仕方ありません。
これは、木曽で売られているホオ葉団子だそうでした。
真似てつくってみよう、と考えましたが、なかなかその機会もないままに過ぎ、またホオの葉が茂る季節になりました。
家には、苗を買って植えたホオノキと、その種から育った小さなホオノキがあります。
大きなホオノキの葉は遅く出て、まだ柔らかすぎますが、小さいトチノキの葉は硬くなりはじめています。
摘んできました。
餡は丸めておき、同量のお湯で練った上新粉は、ちぎって指でぎゅっと握って、ふきんを敷いた蒸し器に入れ、10分ほど蒸します。
蒸し上がった団子は等分に切り、餡を包みます。
団子生地はお餅のように伸び縮みしないので、楕円形に伸ばした上に餡を置き、ひだのない餃子のように包んでから、つなぎ目を下にして、形を整えました。
ホオの葉で包むのは、楽しい作業です。
結ぶ藁がないので、前に糸をつくろうとしたのに、うまく裂けなかったカラムシの繊維を使います。
できた!
これを蒸し器に入れて、再度、5分くらい蒸しました。
できあがりました。以前つくったのより野趣に富んでいますが、いただいた写真の木曽のホオ葉団子と比べてみると、全然違います。
木曽のホオが団子は、蒸した後乾燥させたホオの葉を水で戻して使ったか、あるいは塩漬けにした葉を使っているのでしょう。つくってみるまで、気がつきませんでした。
さて、残ったホオの葉を捨てようとして、ふと気がつきました。冷凍庫をのぞいた夫が、冷凍してあった中華おこわを食べたいと、出して、ちょうど解凍していたところでした。
中華おこわは竹の皮に包むものだけれど、ホオの葉に包んだらどうだろう?
さっそくつくります。
こちらは、一枚一枚を、柄の方だけ少し切り落として、包んで端を挟み込みました。
電子レンジで温めただけより食べやすいし、ホオの葉の香りも、ほんのり移っていました。
ホオの葉づくしのお昼でした。
乾燥させた葉でもつくれるなら、もう少し葉がしっかりしてから、蒸して乾燥させてみようと思います。
もっとも、広げると80センチくらいあるので、柄をつけたままで蒸すのも、塩漬けにするのもたいへんそう。木曽では、どうして葉を切り離してつくらなかったのか謎ですが、できた形がおもしろいことは確かです。
もっとも、食べてしまえば、どんな形でも同じ味ですが。
朴葉巻き、木曽福島やあのあたりのお菓子ですね。
返信削除うちはご先祖様が木曽の日義村出身なのでよく行きます。
木曽ではいくつかのお菓子やさんが、初夏に朴葉巻きを売り出します。それは葉の良い時期にだけ作るもので、夏になると無くなります。
ですから、使われる葉は生の葉を使用しているはずです。
写真にある芳香堂さんの朴葉巻きは、間違いなく生葉使用です。
オレも通りがかったときには買い求めることがありますが、うちで作る方が多いですね。(笑)
そろそろ朴葉が欲しくなりました。
Shigeさん
返信削除本当ですか!出来上がりが全然違ったので(^_^;)、乾燥葉を戻したものだと思いました。
それにしても、葉を蒸すにしても、塩漬けにするにしてもかさばるのに、いったいどうやって保存しているのかと、不思議に思っていたところでした。葉をただ乾燥させただけだと、翌日にはちりちりになりますからね。
私は、Shigeさんのブログでホオ葉団子を知りましたが、知らなかったら、サルトリイバラ団子(=私にとっての柏餅)しか、つくっていないところでした(笑)。