2017年7月14日金曜日

ヤマユリ


歯医者さんへの道に、ヤマユリが自生しています。
咲くのを楽しみに見ていました。

我が家の裏山にも、ヤマユリが咲いていましたが、近頃は見かけません。
目につくものは全部、近所のHちゃんに掘られてしまいます。Hちゃんは、お兄さんと二人暮らし、定職にはついていなくて、お兄さんも、週に三日ほどのパートです。
Hちゃんは、酒屋に頼まれて、春先にセリを摘んだり、ワラビを採ったり、使い走りをしたりして、いくばくかのお金をもらっていましたが、昨年、酒屋さんは高齢のために店を閉めてしまいました。Hちゃんの収入減がなくなったのです。

そんなHちゃんが、数年前からせっせとヤマユリを山から掘ってきているのを見かけていました。
遠慮を知らない夫が問いかけます。
「そんなにユリを掘ってきてどうすんだい」
「食べんだよ」
「へぇ」
「うめぇど。食べたことねえのか?」
「あるけど」
夫が食べたことがあるのは、ヤマユリではなくて、オニユリの根です。
「すぐには食べねえ。三年くれえ庭に植えておいて株を大きくしてから食べるんだ」
「ふうん」
というわけで、裏山にはヤマユリがすっかりなくなってしまっています。
そして、Hちゃんの庭は、ヤマユリだらけです。


こんなにきれいだから、植木屋さんにも掘られちゃうだろうし、イノシシは掘り返して食べてしまうし、この町の花はヤマユリですが、なかなか見かけにくくなっています。







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