よく、
「こんな大きいイチジクの木、初めて見ました」
と言われます。
でも、私は大きいイチジクの木がある家で育ちました。
家の北に、道路を挟んで小麦わら葺きの納屋があって、さらにその北には用水路が流れていて、用水路の向こうは田んぼでした。
納屋のわきには柿の木とイチジクの木が二本ずつあり、イチジクの木は用水路に大きく張り出していました。
太い枝は、用水路を超えて、田んぼに掛かるような勢いで、枝を伝って向こう岸に降りたりして、遊んでいたものでした。
時折、川辺ではイタチを見かけました。
さて、イチジクは熟れるまでには、もう少し待たなくてはなりません。
昨年まで、イチジクの木のあたりで羽化した蝉はほとんど見ませんでしたが、今年は目立ちます。コブシの木のあたりは石を敷き詰めているので、母蝉がこちらを選んで産んだのか、コブシの木の幹には、抜け殻はまったく残されていません。
で、写真を撮って気づきました。
幼虫は葉柄を伝わってこの葉までたどり着いたはずですが、みんな来た方向を振り向くようにして、殻を脱いでいます。
偶然かな?
いえいえ、どの葉を見ても、茎の方向を向いて羽化しています。
何故かわかりませんが、楽しくなります。
でも、家の柱を上ってきた連中の抜け殻を見ると、進行方向を向いています。
どこから出てきたのか、アスファルトの上に立つ柱の礎石で羽化したニイニイゼミも進行方向を向いています。
ほとんど水平に見えるイチジクの葉も、心持ち高い方に、見な頭を向けて脱皮したのかもしれません。
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