茨城県内のスーパーマーケットで、初めてクワイにお目にかかりました。
これまで、このあたりの人たちはクワイを食べたこともなければ、売ってもいないのが残念だったのですが、つくばの町などには県外からの人も増えて、需要ができたということでしょうか。
もっとも、このあたりでは誰もクワイを育てていない、中国産です。
クワイ(Sagittaria trifolia L. 'Caerulea')は、オモダカ科の、水生多年草であるオモダカの栽培品種です。
アジアをはじめ、ヨーロッパ、アメリカの温帯から熱帯に広く分布し、野生種は東南アジア原産といわれていて、栽培品種は中国でつくられました。おもに、水田や大河の河口近くの湿地で栽培されています。
日本には、平安時代に中国からもたらされたとされています。
クワイに形や食感が似ていて、中華料理に使われるものに、ウォーターチェスナッツ(water chestnuts、Eleocharis dulcis)があります。
日本語では、クログワイに対して、シログワイと呼ばれるそうですが、シログワイという単語はあまり聞いたことがありません。
しかも、シログワイの方が、表皮は黒いのです。
中華料理では、クワイ(黒慈姑、クログワイ)は、ウォーターチェスナッツと似た使い方をされますが、まったく違うもので、ウォーターチェスナッツは、カヤツリグサ科の植物の根茎です。
海抜50センチという低地のバンコクには、1980年代まで湿地がたくさん残っていて、湿地という湿地にはスラムがありました。
スラムの中には車は入れませんが、湿地から湿地に渡した、すれ違える程度の木の細い橋が網の目のように張り巡らされていました。
そんなスラムで、あるとき、何人か集まってバケツ一杯の黒くてひらべったい球根をむいているのを見たことがあります。
それが、生まれて初めて見た、生のウォーターチェスナッツでした。
日本では、今はどうでしょうか、昔は缶詰になったものしかありませんでした。
さて、たくさんのクワイを鉢に並べたところはいい景色でしたが、写真を撮るのを忘れました。
これは今朝、たった二つだけ残っていたクワイです。
農作物を知らない子供の頃でも
返信削除「クワイ」は知っていました。
床屋で頭を刈ったばかりの男の子を「クワイ頭」と
呼んでいました
後ろ姿がそっくりでしょー(笑い)
昭ちゃん
返信削除クワイ頭は知りませんでした。いがぐりよりもっと毛が短いのですね。そして色が微妙に青白い(笑)。
クワイは子どものころから馴染みの味でした。もちろん、暮れには東京でも売っているし、いつか新潟でも見ました。だのに、茨城には水田がいっぱいあるのに、どこにも売ってなかったのです。
地元の人と集まったとき訊いたけれど、誰も知りませんでした。面白いですね。レンコンができているのだから立派なクワイができると思うのに...。
茨城では食べられないものなのですね!
返信削除実家では母以外はクワイを食べませんが、それでも母は自分のためにクチナシで黄色くしてお重に入れます。私は食わず嫌いですが、今度食べてみようかな?
hiyocoさん
返信削除茨城の他にも、どのあたりで食べられていないのか知りませんが、小さいころクワイはお正月というより冬の風物詩でした。田んぼがあるところでは、どこでも栽培できますよね。
でも、確かにクワイは祖母が好き、母が好きでしたが、男連中はどうだったのか(笑)、我が家の息子たちに勧めても食べそうにありません。
あとからちょっとほろ苦さがきます。ぜひ食べてみてください。
一歳三か月の男の子が来ていて、おいしそうに食べてくれました。嬉しかったなぁ。私はクチナシを使わず、ただ出汁と醤油みりんの薄味で煮ました。