Tomokiさんからいただいた実の最終回です。
この莢は、一目見たときあまり薄いので、まだ若い未熟な莢かなと思いました。
ところが、一方の端に、しっかり種が入っていました。
莢の片方を軽くつくって、自分の莢をプロペラにして、飛ぶ実だったのですね。
植物も、いろいろなことを考えるものです。
図鑑でしか見たことがなかった、ねじれた実です。
Helicteres isora LINN.、タイ語でポピット、英語でスクリュートゥリーと言います。
低木が密集したような、落葉灌木林に生えます。
タイ南部では、乾燥した実を、強壮剤(とくに産後の妊婦や、子どもの胃痛の治療)として、市場で売っているそうです。
これは、草の実ではなくて、木の実でしょうか?
そしてこれも木の実でしょうか?
似たものがいろいろあるので、皆目わかりません。
この実は、椰子の実でしょうか?ちょっと違うような気もします。
手持ちの椰子の実と比べてみようとしたのですが、どこへしまったか、手持ちの実が見つかりませんでした。
また、見つかったときに比較してみます。
高さ2センチほどの小さな実です。
Tomokiさん、ありがとうございました。
春さん、
返信削除一つ目はButea monospermaというマメ科の実です。花はオレンジ色で東北部に良く生えているので、ご覧になったことがあるかもしれません。学名からもタネが一つであることがわかります。mono=1つ、sperma=タネ
この一つのタネが錘になり、莢全体が羽となり、クルクル旋回しながら落下します。
よくできていますよね。
二つ目は、その通りです。
三つ目は、Hiptage benghalensisという木性ツルの実です。
四つ目は、Congea tomentosaというこれまた木性のツルの実です。
三つ目と四つ目は形は良く似ていますが、全く別の科の植物です。でも、落下の仕方はクルクルと同じように旋回します。
最後のうろこ状の皮の実は、ラタンの実です。
植物界最長の繊維が取れ、籐細工に使われるヤシ(Calamus sp.)の実です。茎はおびただしい棘で武装されていて、しかも新しく展開した葉はフック状の棘が付いた鞭のようになっていて、様々な樹によじ登るための戦略を身につけています。あんな棘だらけの幹を採取・剥皮し、繊維をとるなんて想像しただけでもその苦労が伺えます。タイの熱帯雨林の中ではあちこちで見かけますが、種類は何種類か(私が見ただけでも4種類)ありそうです。タイ語では実をルークワイといい、食べます。あまりおいしくはないですが、ちょっとしょっぱくてねっとりとしています。
これでお送りしたものはすべてですよね。
Tomokiさん
返信削除ありがとうございました。
Butea monospermaの種は、残念ながら見たことがありませんでした。しかも、私の持っている図鑑には、違う実のイラストが描かれています(『Forest Trees』の355)。
ラタンは私もいろいろ見ましたが、実は見たことがありませんでした。こんな可愛い実をつける種類もあったのですね。
よろしかったら。私のもう一つのブログ「八郷の日々」のヤシのラベルがついたものを見ていただくと、折にふれてラタンのことも書いています。
これまで見たラタンで一番太いものはサラワクの森の中のもの、珍しいのは、バングラデシュで見た栽培ラタンです。カンボジアでは道端に雑草のように生えるラタンもありました。
これで全部です。ありがとうございました。