2011年10月11日火曜日

マコーク



日曜日、水戸のタイ工芸品店のMurakaを訪ねました。
七月にタイに買いつけにいらしたので、またチャトゥチャック(週末市場)の木の実屋さんを訪れて、おもしろいものを仕入れていらしたのではないかと、期待して行きました。

ありました。
きれいな莢つきのマカーや、黒ずみもしないで、はじけもしないスオウの飾り物、モダマの飾り物など、いろいろあり、興味深く拝見させていただきました。
美しいオーナメントは、チャトゥチャックでも値段がはっていたということで、どれもいいお値段がついています。りっぱなものは買えないので、小さくて格別に安いものを手に取りました。




「それは、タイオリーブです」
と、Murakaさん。

そうそう、そんなものがありました。初めて聞いたときは、
「これはオリーブじゃない」
って、タイ人に言いましたっけ。

タイオリーブと聞いて、口の中にその味がよみがえってきました。梅干ほどではないけれど、酸っぱいので、ちょっと口につばがたまります。
この実の味は何かに似ていたという記憶があり、似ていたなら、元の味をよく覚えているはずなのに、頭がぼんやりして、そちらは全然思い出せません。

さて、お昼はMurakaさんに教えていただいたタイ料理材料店に寄りました。最近、食事も出すようになったというお店です。
お客はタイ人の家族たちと、料理の注文をタイ語でしているような、ちょっとあやしげな日本人たちで、私たちを入れて五組20人くらい、満席です。子どもが走りまわるなかで、カラオケでタイの歌をたくさん聞いて、騒々しかったのに、なんだかほっこりして帰ってきました。

午後には突然の客人があり、Murakaで買った実のことなど、すっかりわすれてしまいました。

というのは、その客というのが92歳という高齢の、東京からはるばる来たご婦人で、以前我が家に来たことがあり、もう一度たずねたいと思っていて、やっと願いがかなって来たというのです。
と ころが、案内してくれた人にも、夫にも、私にも、そろってその方が我が家にいらっしゃった記憶がありません。
いくら記憶力が悪いといえ、頭が老化しはじめたといえ、そんな高齢の方が訪ねてくだされば、忘れられないでしょう。しかもお住まいは、私が結婚するまで住んでいた家のすぐ近くですから、きっと 話題にもなったはずです。

その方が言います。
「滝が近くにあるところに、家を自分たちでつくっている夫婦がいてお話しました。家からの眺めがよかったので、ぜひもう一度来たかった」
その条件に、我が家はことごとくあてはまります。
しかし、あてはまらないお話もありました。
きつねにつままれたような気分でした。

夜、お風呂に入ろうとしていたら、突然、マコークという言葉が頭に浮かびました。
「あっ、あの実はマコークではないか」
20年も忘れていた、言葉でした。




早速、布団の中に植物図鑑を持ち込んでながめます。
和名がアムラタマゴノキ(Spondias pinnata)たぶん、これでしょう。食べると、ちょっと硬かったのですが、こんなに繊維質が多かったなんて...。
しかし、どうやって、繊維だけ上手に残してあるのでしょう?

ところで、Spondias pinnataて、何科?
あっ、ウルシ科でした。

そういえば、20年ほど前、最後に食べたときは、タイ人たちと合宿会議の最中でした。タイ人は酸っぱい果物が好き、マコークも大好きです。
私は、このときは食べ過ぎたのか、実が新鮮すぎたのか、かぶれて、唇の周りを中心に、顎から頬にかけて、顔が熱っぽくなりました。
幸い、数日で沈静しはじめ、大事には至らず、ほっとしたことも思い出しました。







7 件のコメント:

  1.  十中八九、Murakaさんが買いつけられているお店は私の知っている店と同じだと思います。

     こんな飾りが山ほど店内に吊り下げられており、床上には、たくさんの種類の木の実がばらで売られています。ただ、店内撮影禁止でお店の雰囲気をお伝えできないのが残念です。

     先日私が出かけた折、海外の方が興味深そうに店内に入ってきて、ディスプレイ用のモダマを見つけて興奮され、「売っていないのか?」と店主に問いかけるも「売り物じゃない」と連れなく返事、「じゃあ、かわりに写真とってもよいか?」と再び問いかけるも「ダメ!!」の返事。その方は、売りもしない、写真も撮れないのに何で店に置いているんだと逆切れ気味で店を去っていきました。この店内のものは大体持っていますが、この方の気持ちはよくわかります。
     季節によって多少売っている種の種類が変化するので、新しいものがないか数ヶ月に一度チェックに出かけています。
     春さん、予算とどんなのが欲しいか、教えてもらえれば、こちらから安く買っていきますよ。

     春さんもそのお店に行かれたら、しばらく動けなくなると思います(笑)。

     アッ、それから知合いの木の実屋さんを紹介しますね。取扱い種数はなかなかのものです。
    http://jamkobayashi.com/?mode=cate&cbid=153285&csid=0
    拾いものじゃなくて、邪道の買いものになっちゃいますけどね(笑)。

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  2. Tomokiさん
    昨日の「新種発見か?」のコメントで、makinoさんから、こばやしジャム店のアドレスを教えていただいたばかりでした。昨夜のぞいて、わくわくしてしまいました。他の店では品切れのモダマなどもわんさかありましたね。
    王道を行こうか、横着道につっぱしるか、悩んだりして(笑)。
    Tomokiさん、そんなにそのお店のものいっぱい持っていらっしゃるのですか(笑)。Murakaさんで見るのも、欲しいのばっかりです。普通だと、種だけの方が好きで、飾り物にしているとがっかりしますが、上手な作り方に感心してしまいます。
    お申し出、ありがとうございます。また、本気にしますよ(笑)。
    明日と明後日と、Murakaものです。

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  3. ホントですね。昨日makinoさんが書き込んでおられましたね。

    チャトゥチャックの木の実屋さん、チャトウチャックに買いものに行く際は、必ず立ち寄ります。
    春さんのコレクションも凄いですから、お店の商品の8割がたは持っておられると思いますよ。
    それから、申し出本気にしてもらって結構ですよ。僕にとっても、出かけるよい口実になりますから(笑)。

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  4. Tomokiさん
    ありがとうございます。
    丸っこくまとめてあるもいいし、長さもあるのもいいし、迷ってしまいますね。
    また、少し考えてお願いします。
    着色しているものより、自然の色のがいいです。
    予算は、2,000-3,000バーツってとこですかね。
    でも、そんなに買っちゃうと、荷物になっちゃうじゃないですか!

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  5. 先日は、ご来店有難う御座いました!
    タイ語でマゴークと言います。
    タイ・日辞書によると“オリーブの類”とあります。
    生食できるとは知りませんでした。
    マゴークはウルシ科なのにどうしてモクセイ科のオリーブと訳されるようになったんでしょうね?

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  6. murakaさん
    マコークは、makokuで、makhokuでないため、日本の辞書には、マゴークと書いているのでしょう。発音は、「こ」と「ご」の中間くらいです。
    よく植物のことを知っているタイ人も、本当のオリーブを知らないので、「これはオリーブじゃない」と言うと抵抗します。たぶん、本当のオリーブのことを、どうタイ語にしようかと考えた人が、似ているマコークの名前を当てたのではないでしょうか。
    日本でデーツのことをナツメヤシと呼ぶのと、似ているかな?
    アスパラガスのことを、ノーマイフラン(西洋筍)と言うのと同じようなものですか。

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  7. murakaさん
    アスパラガスは、ノーマイフランではなく、ノーマイファランでした(笑)。

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