死んだふり

外で作業をしていたら、猫のトラがやってきました。

 

しばらく遊んでやって、ふと見ると、トラの鼻先で、お腹の大きいカマキリが死んだふりをしています。鮮やかな若草色のカマキリで、枯れ草の上では、いつトラに見つかるかわかりません。
あわててトラを遠くにやりました。
作業しながらちらちら見ても、カマキリはいつまで動きません。通り道の真ん中ですから、夫にあわや踏みつぶされそうにもなりました。

死んだふりをしているように見えますが、レンズを通して見ると、しっかりこちらを注目しています。
肩には油汗が！なんて、ただの露です。

とにかく、安全な所に行ってもらいたいので、お尻を押しても動かない。
しかたなく、木の枝で釣って、今年はもう刈りこむ予定のないつつじの茂みに入れてやりました。

しばらくしてのぞくと、まだこちらを見ています。

そんなカマキリのことは何も知らず、トラは、ごろんごろんといい気持。

昼食後、まだいるかとあの鮮やかな色をさがしてみましたが、いるのは、くすんだ緑の別のカマキリばかりでした。刈り込みを怠っているつつじのせいか、昨年の卵も今年の卵もいっぱいついています。
他のカマキリでもいいから、産卵のところを見たいと思いながら、作業しているとすぐ忘れ、気がついた時には、誰もいませんでした。