以前、タイ映画を見て、棕櫚の葉でつくった魚のモビールは、乾燥し切って、すっかり貧弱になっています。時々、つくり直すためのいい素材はないかなぁと考えていました。
「そうだ。壊れた籠は直すことを考えてばかりいないで、あれを素材として使ったらどうだろう?」
と思いつきました。
さっそく水で湿らせました。
柔らかくなってからそっと解くと、虫喰い跡があり、湿気だけではなく何ものかにかじられていたことがわかりました。
30年も経っていて、虫にも喰われていて、ぶつぶつに切れます。そして、長い材料だけを使っていなくて、短い材料を上手につないであることもわかりました。
さて、分解できたけれどこのままでは使いにくそうです、アイロンを当ててみることにしました。
うまい、うまい。きれいに伸びます。
分解したものを見ると、黒く染めた葉、染めていない葉、そして葉柄の皮をはいだものの三種類が使われていることがわかりました。
葉が薄いので、パルメラヤシではなく、ココヤシのようです。
葉柄は厚みがあり、裏返すとはいだ筋が残っています。
今回ばらさなかった蓋の内側を見ると、材料を二枚重ねにして使い、葉柄をはいだもので強度を出し、内側には葉を貼って、柔らかい感じに仕上げていることがわかります。
外側に見えているのが、葉柄のはいだものです。ただし黒いのは葉で、葉柄の剥いだものをふんだんに使っているので、ところどころは葉を重ねたものでも、強度には問題ないようでした。
さて、魚をつくろうとすると、葉はすっかり劣化していました。
新鮮なときには折ることができても、古い葉はどう丁寧に扱っても、曲がるところで、ぼきぼきとあっけなく折れてしまいます。
仕方なく、葉柄をはいだものだけ使うことにしました。
材料はぎりぎりです。
ほとんどが短いので、
足しながらつくります。
足しても、そう目立ちません。
葉柄はちょっと厚みもあり、ロープ代わりになるほど弾力性があるので、ちょっと太めの魚ができました。
なんとか六匹つくることができ、最後は、とっておいた長い材料を使って心おきなく楽しみました。
棕櫚の葉の魚との比較です。
ここまできたら一休み、根気が続かず、あとはまたです。
これはいいアイデアですね!友人の草作家が草で籠を編んでいるのですが、籠はいずれは壊れてしまうものです。そしてその壊れた籠から紙をつくることをしています。Reのデザインですね。たいていの草から紙がつくれますので、ミキサーにかけて新しい命を吹き込んでいますよ。春さんの籠も魚に生まれ変わって喜んでいることでしょう。
返信削除hattoさん
返信削除私、いじいじとものが捨てられないでいますが、どうしようもなくなって捨てるとなると、ものすごく潔く捨てます。で、後悔することも多々あります(笑>
農作業に使っていて部分的に腐らせたアダンの葉のお祈りマットも、捨てないでほぐしておいたらどんなにいろいろつくれたか、今頃になって残念がっています。もっとも、堆肥にはしたのですが(笑)。
そう、草でも竹でも紙はつくれますね。
モビールは。今日一日出かけていたので明日はUPできません。どんな形にしようか、頭の中ではいろいろ想像しているのですが...。