2009年8月24日月曜日
玉虫
我が家は丘の上にあります。周りを山桜、クヌギ、コナラなどの雑木が取り巻いていますが、西側に向かって土地がさがっていて、遠くに、連なっている山並みが見えています。我が家とその山並みのあいだは大きな盆地になっていて、田んぼや集落がたくさんあるのですが、雑木が目隠ししているので、我が家から見えるのは林と、山と、空だけです。
今年は、下の小川から上ってきたのか、毎日のように家のテラスのあたりで、ひとつふたつと、蛍が飛びました。セミは庭のあちこちに穴を開けて出てきて、ケヤキやコブシの木で、例年のようにやかましく鳴いています。ときおりクワガタやカブトムシも見かけますが、そうたくさんは見ませんでした。
今年やけに目立つのが玉虫です。玉虫はケヤキや桜の木の幹の中で幼虫時代を過ごし、短い成虫時代はケヤキや桜の葉っぱを食べるそうですが、3本ある我が家の大きなケヤキの周りでは、毎日玉虫が乱舞しています。けっこう大きな音をたてて飛びますが、羽が太陽にきらきら光って、とてもきれいです。
死骸があちこちに落ちているのですが、みんなアリにかじられてしまっています。だいたい頭が最初になくなって、それから胴がやられています。
羽を拾っても、玉虫厨子どころか、10センチ四方を埋め尽くすこともできそうにもありません。
2009年8月22日土曜日
2009年8月18日火曜日
パラゴム
どんなにプラスチックの性能がよくなっても、天然ゴムの需要はまだまだなくならないようです。
というわけで、タイ、マレーシア、カンボジアなどに行けば、大きなプランテーションから小さな個人経営のものまで、たくさんのゴム園を目にします。
パラゴム(Heva brasiliensis)は30メートルにもなる高木で、大きな木になると、斜めに傷つけて樹液を採るタッピングのあとが見えて、金属や焼物の樹液の受け皿が結びつけてあります。
かつて、ブラジルの森林に野生のパラゴムが点々と生えているのを採集していたころは、たくさんの人が森の中で道を失って二度と帰らなかったとか、自動車産業の拡大につれ、種だか幼木だかをイギリス人がまんまと盗んでマレーシアに運び、人工生育に成功してプランテーションをはじめたので、ブラジルのゴム産業が衰退したとか、パラゴムにまつわる話はいろいろ残されています。
パラゴムの種はちょうどビー玉くらい、斑模様が入っています。ゴム園の子どもたちはこの種で遊んでいるのでしょうか?
2009年8月15日土曜日
2009年8月11日火曜日
ヒマ
私が小さな子どもだった頃、ひまし油というのは、とても身近なものでした。家庭で常備しておいて、子どもがお腹を壊すとちょっとなめさせるような。
でも、私にとっては、お母さんが腹痛と思ってひまし油を飲ませたのだけれど、食あたりではなく盲腸炎だったので、死んでしまったという、小学校の同級生の弟の恐ろしい話を思い出してしまいます。
タイ農村では、自家製の食用油をとるためにヒマを育てている農家がありました。また、昔育てていたヒマがこぼれ種になって、畑の端や道端に生えているのもずいぶん見ました。カンボジアではもっと野生化している、小さな実をつけるヒマを何度か見かけました。ヒマはもともと、そのあたりの野生のものだったのかもしれません。
ヒマの種は大きさといい、模様といい、虫のようです。私は、油をとるわけでもないのに、実のなる季節に見つけると、ついつい一粒、二粒いただいて、金平糖のような実を剥いて種を取り出して掌に乗せてみたものでした。かわいいというか、気持ち悪いというか・・・・。
2009年8月6日木曜日
沙漠の糞?
2009年8月4日火曜日
2009年8月1日土曜日
マカーモン
形に引かれて、とにかく拾って、名前もわからない種の方が多いのですが、これはよく知っている種です。タイのチャヤプーム県に住む友人の敷地にあった木で、タイ語でマカーモン(Afzelia xylocarpa)と言います。その友人は色々な木を育てるのが大好きで、このマカーモンの大木も大切にしていたのですが、切って売ってくれと怖い人に脅されて、泣く泣く切ったのでした。
タイでは森林を伐採しすぎて全国的に材木が不足しており、チークなど有用な木は、個人の庭に生えていても、勝手に伐採すると罰せられます。そんなことで、彼のマカーモンも狙われたのでした。
黒い種にくっついている黄色い蝋細工のようなものは種のための栄養でしょうか。もとは全部の種についていたのに、いつのまにかとれてきてしまいました。
インドネシアのバリに行ったとき、デンパサールの市場の二階にいたら下から楽器を奏でる音が聞こえてきたので覗いてみたら、マカーモンの木の下で楽団の練習が始まっていました。実のなる時期で、大きな特徴のある実がたくさんついていました。