2010年12月31日金曜日
山茶花の種
どんな木でも、花が多く咲き過ぎる木は、そう好きではありません。
サザンカも、花がぽつぽつとついている木が好き、咲き過ぎて毒々しい木は嫌いですが、そんな木が、散歩道の途中にあります。
遠くから見ると、まるで桃色のかたまりです。
木の下には花びらが散っていて、中にポツポツと、前の季節のものでしょうか、種が混じっています。
椿の種はよく知っていますが、サザンカにも同じような種が生るなんて、恥ずかしながら、考えたこともありませんでした。
最初、「あれっ。なんでサザンカの木の下に椿の種が落ちているの?」と、坂道になっているので、思わず、坂の上の方を見てしまいました。椿の種が、転がってきたのかと思ったのです。
もっとも、サザンか(Camellia sasanqua)も、椿(Camellia japonica)も、同じ椿科で、花も似ていますから、実や種が似ていても、ちっとも不思議ではありません。
ただ、花びらの散っている風情は、ばらばらに散るサザンカの方が素敵です。
2010年も、無事暮れようとしています。
アキレス腱を切って、改めて人間の身体ってよくできていると、感心した年でした。
二足歩行できることだけでも、本当にありがたいことでした。
2010年12月30日木曜日
2010年12月29日水曜日
ナツメグ
ナツメグ(ニクズク、Myristica officinalis)は、以前から持っていたものがなくなりそうになったとき、熱海のMさんからたっぷりいただいて、不自由なく使っていますが、じつは、種のままのものは、インド料理材料店にでも行かなければ、なかなか手に入らないものだったようです。
先日、長島さんから、インド土産のナツメグをいただきました。秋にインドで暮らすお嬢さんを訪ねたとき、南インドのケララに旅行して、農場に泊まって、その農場でつくっているナツメグを買ってきたそうです。
「ほら。こうなっているの」と殻に爪を当てると、すぐ破れました。とっても薄い殻を被っていたのです。
ナツメグといえば、その外側についているというメースを思い出します。殻つきのナツメグは見たことがありませんでしたが、メースも見たことがありません。
「メースもあったのかしら?」とたずねると、
「あったわよ」と、メースもいただいていまいました。
まだ、収穫して長く経っていないのでしょうか。とっても美しい色です。
ナツメグはすりおろさないとあまり匂いませんが、メースはそのままで、ナツメグと同じ香りを、強くただよわせています。
こうやって並べてみると、なんとなく元の様子が偲ばれます。
『花の王国』(荒俣宏著、平凡社1990)を開いてみましたら、載っていました。
厚い表皮の下にメースがあって、その下に薄い殻に包まれたナツメグが納まっている様子が、よくわかります。
この本によると、モルッカ諸島原産のナツメグは、12世紀末にはヨーロッパでも知られるようになりました。しかし高価で、イギリスではナツメグ1リーヴル(どのくらい?)が、羊3頭分の値段だったそうです。そして、16世紀にポルトガルがモルッカ諸島を占領するころには、ヨーロッパでは広く知られていました。
ナツメグは肉料理にもお菓子にも欠かせませんが、その販売が19世紀まで、何世紀にもわたってオランダに占有されるなど、裏に欲望や抑圧を秘めてきたようです。
うさぎ年、ようこそ
2010年12月28日火曜日
エビフライ発見!
我が家の下を通り、滝へ上って行く道は、滝で行き止まり、通り抜けできません。
だから、寒いこの時期には、あまり通る人もいません。そのため、ちょっと強い風が吹くと、道は落ち葉の吹き溜まりになってしまいます。
そんな道を、足しげく滝の近くまで通ってくるのは、狩猟を禁じられているメジロやシジュウカラを生け捕りにしようとしている、怪しくて、不埒なおじさんたちだけです。
道には、松ぼっくり、檜の実、杉の実などに混じって、風で引きちぎられた、杉の若い枝も落ちています。
藤の実は、落ちているのは莢ばっかりです。
種はコロコロと転がって、どこかに着地して、もう芽吹く準備をしているのでしょうか。なんといっても、えらく発芽率のいい種ですから。
ん?
エビフライを発見しました。
自動車に押しつぶされてひしゃげたものではなく、丸々としています。このあたりで拾ったのは、初めてです。
いつか、我が家の猫がタイワンリスを捕まえて来ましたから、リスも棲んでいるとは思っていましたが、見たことはありませんでした。
エビフライは、山の中ではなくて、割合、人里近くで拾いましたから、もしかして、一番山に近いたけさんちの納屋かどこかに、巣をつくっているのかもしれません。
藤の種も、転がってしまったのではなくて、みんなタイワンリスに食べられてしまったのでしょうか。
2010年12月27日月曜日
小夏椿
このごろは、シャラ(沙羅・夏椿)もヒメシャラ(姫沙羅・小夏椿)も、ありふれた木になって、どこの植木屋さんでも、必ずと言っていいほど見かけます。また、植木屋さんのつくったような庭には、一本や二本が、姿よく植えられています。
シャラやヒメシャラは、花を愛でるというより、一本立ちの木にしろ、株立ちの木にしろ、木の姿形を愛でる木として植えられます。
そのシャラ、ヒメシャラと、私の相性は、あまりいい方ではありません。
その昔、東京の郊外に住んでいたとき、植木屋さんの強い勧めで植えたシャラの木は、いつのまにか枯れてしまいました。
八郷に来てからは、小さな株のヒメシャラを買いました。
安かったせい?もともと、たいして姿がよくなかったのですが、株立ちのうちの一本が枯れて、さらに姿が悪くなりました。
そのうえ、剪定をしないからか、そこいらの雑木と見まごうばかりに、枝を伸ばし放題に伸ばして、味わいもなにもあったものではありません。
「枝が重ならないように剪定するといい」と聞きましたが、どこから手をつけたらいいやら。大きな枝を一、二本落としてみましたが、それくらいでは、見違えるようにはなりません。
枝を切ろうと、はしごに登ってみましたら、少しですが実がついていました。
もう、種はすっかり落ちていていましたが、
やっと一粒だけ、残っているのを見つけました。
2010年12月26日日曜日
種袋
インドの友人に教えていただいた、種の保存袋です。
彼は、雑誌のページをちぎってつくっていましたが、私は裏紙を使います。
私自身は、ほぼペーパーレスの生活が長くなりましたが、夫が家の設計図を印刷し、設計変更したり、施工してしまった設計図は要らなくなったりで、裏紙はいつもほどほどあります。
A4の紙を半分に切り、二つに折って、「わ」を下にして、両端を細く、二度折ります。
折ったところをホッチキスでとめて、袋になったら、入れたい種の名前を記して種を入れ、口をやはり二度折りにして、閉じれば完成です。
DMの封筒など利用すれば、なにも袋をつくらなくてもとも思いますが、空き封筒の管理よりも、送り状などの紙の管理の方が、楽なので、毎年つくっています。
種は採れましたが、問題は、適期を逃さないで種まきすることです。
袋に撒く日を書いておいてさえ、そのころになったら別のことで忙しく、一日延ばしにしているうちに、適期を逃すことも、よくありますので。
それにしても、種を取ったモロヘイヤの莢の美しいこと、見とれてしまいました。
2010年12月25日土曜日
バナナの花
我が家には、陶芸家のMさんから株分けしていただいた、バナナがあります。
ずいぶん大きくなりましたが、新芽はよくイノシシに折られるので、なかなか株が大きくなりません。
このような葉っぱは、このあたりでも見かけますが、みんな芭蕉だと思っていました。
だから、数年前に、陶器市のIさんの店先で、お皿に、庭で摘んだというバナナの花を乗せているのを見たときには、びっくりしました。
バナナは、一本の木(草)には、一生に一度実をつけるだけです。でも、脇から、次々と新しい芽が出てきて育ち、それに実がなるので、株としては、命を何年もつないでいきます。
芽を出してから、実が生るまで、確か二年くらいかかります。だから、冬の寒さの厳しい日本では、温室でもなければ実がならないだろうと、思っていたというわけでした。
先日、お餅搗きで、その陶芸家のIさんのところに行くと、バナナが林になっていました。
そして、上の方を見ると、
花がつき、実がなっていました。
タイの人々は、この花を、薄切りにして、トウガラシ、ニンニクを叩いてナムプラーを加えたタレや、焼きそばと一緒に食べます。しゃりしゃりと食感がよく、ちょっと苦味があります。
カンボジアでは、牛タン屋さんで、焼いた牛タンのつけ合せに、まだ青いバナナの実を、皮ごと薄切りにしたものがついてきます。こちらもほろ苦い味がします。
Mさんが、「もらって行けば」と言ってくれましたが、見るだけで十分でした。そのうち、我が家のバナナの花が咲くのが楽しみです。
バリ島のお土産
2010年12月24日金曜日
青いパパイヤ
陶芸家のMさんから、青いパパイヤをいただきました。パパイヤの木を持っている人が、「味噌汁に入れてもうまくないし」と、もてあましていたのを、いただいてきたのだそうです。
久し振りの青いパパイヤ、さっそくソム・タムをつくりました。
まず、皮を剥きます。
中が空洞になっているので、そこまで到達しないように、でも十分切れ目が入るように、包丁でとんとん叩きながら、細かい筋目をつけていきます。
筋目がついたら、それを薄く削ぎます。
すると、千切りのパパイヤができます。
未熟な実ですから、空洞にはまだ種もできていません。
破れないよう、満遍なく削いでいきます。筋目の深さが足りなかったら、また、包丁を直角にして叩き、筋目をつけてから削ぎます。
トッピングのピーナツは、煎って皮をとり、荒く刻んでおきます。
クロックにニンニクとトウガラシを入れて叩きます。
つぶれたら、乾しエビも入れてさらに叩き、ナムプラー、ライムの汁、砂糖で味をつけます。あればプチトマトを二つに切ったものも入れますが、ないので省略しました。
そこに、パパイヤを入れ、匙で混ぜたり、味をなじませるためにちょっと叩いたりしながら、味を見て、ライム、ナムプラー、砂糖などを足し、味を整えます。
トウガラシは大勢で少量ずつ食べるときはたくさん入れますが、ソム・タムそのものをたくさん食べたいので、今日は控えめの二本でした。
刻んだピーナツをかけて、できあがり。
コリアンダー(パクチー)を飾るとよかったのですが、庭で、これから厳しい冬を生き延びようとしているコリアンダーの葉を摘むのがかわいそうで、なしにしました。
蒸したもち米(カオ・ニヤオ)と一緒に食べました。美味でした。
2010年12月23日木曜日
タンキリマメ
この赤い莢と黒い実が大好きで、毎年実の生るころを楽しみにしていました。
名前は知らなかったのですが、昨日、Mさんに教えていただきました。
タンキリマメ(痰切豆)という名前だそうです。なんて、おもしろい名前でしょう!
もちろん薬草で、痰切りに使われたようです。
今年、また新しく素敵な実を見つけました。
なんという名前の実か、調べてみましたが、またまた、わかりません。
タンキリマメより薄い莢は、ほとんど白ですが、ほのかに紫色が残っています。
そして、タンキリマメより大きい黒い実は、つやつやしています。
最初は、実がもっとたくさん入っていたのでしょう。
場所はわかっていますから、春先に芽を出したらじっくり観察して、なになのか突き止めてみたいと思います。
2010年12月22日水曜日
平磯
先日、ホームセンターに買い物に行く途中、ひかちなか港から阿字ヶ浦に抜ける海岸通りをとおり、いつもは素通りする平磯海岸に寄ってみました。
平磯は、赤いくじらが目印です。
沖にも、くじらがいます。
くじらは、苦笑しているようです。
くじらだけでなく、カモメもいました。
波が引くたびに、なにかついばんでいるカモメも、ついばんでいないカモメもいました。
千鳥もいました。こちらはみんなでついばんでいました。
千鳥は二種類いました。
波が間際まで迫っても動じない千鳥と、波が来そうになると、必要以上に警戒して、いち早く遠くまで逃げてしまう千鳥と。
どちらがおりこうさんなのか、どちらに分があるのか、どちらが生き残るのか、考えさせられました。
鳥だけでなく、小さな恐竜もいました。
私は、恐竜だけ、我が家に連れて帰りました。