たけさんの畑は花盛り

たけさんはおん年八十歳、一人息子が借金をこしらえて逐電したため、年中無休です。
今日もスーパーカブに乗って、ライスセンターが請け負っている田んぼの補植、ブドウの摘果、草取りなどなど、銭取り仕事に東奔西走しています。
「しゃぁんめよぉ」
息子が生後四か月の時夫を亡くして以来、苦労の連続だったたけさんですが、いつも前向きで、オートバイで転んで、足首を複雑骨折したときも、
「もしかしたら、歩けなくなるかも」
と言われたのに、二度の手術、三ヶ月の入院後はリハビリにも行かず、動き回ってすっかり元通りに治してしまいました。

田んぼは借金のかたとして取られたけれど、幸い畑は他人の土地を借りているものなので、残っています。
以前はきれいにいろいろつくっていたのですが、今もつくっているのですが、なかなか手が回りません。もっとも、他人のことは言えた私ではありませんが。

というわけで、種採りするわけでもなかろうに、春菊が花盛りです。

久しぶりに見た、たくさんの春菊の花、懐かしい匂いがします。

ニンジンも育ったこと。
手が回らないと言っても、さすが手際のいいたけさん。トウモロコシはしっかり植えつけてあります。

にんじんの花。

あら、ジャガイモも！
なんて、ジャガイモは今頃花が咲いてちょうどいいのです。

たけさんの畑には、ジャガイモを掘り返すハクビシンもイノシシも、ここ数年は現れていません。
動物たちもたけさんを応援しているのかな？