夫が用事で水戸に行くと言います。私はもちろん、家にいるつもりでした。
「多分すぐ済むから、何かおいしいもの食べようか。今日は誕生日だし」
あらっ、よく覚えていてくださいました。では、と一緒に行きました。
通り道に、たまに行く食べ物屋さんが見えたので、
「あそこで食べる?」
「いや、お昼休みになりそうだから、先に用事を済ませようか。まず、どこにあるか確認しておきたいし」
というわけで、目的地を探し当てたときはすでにお昼休み直前でした。
「ここに車を止めて歩こうか。蕎麦屋がすぐそこにあったから」
確かに、お蕎麦屋さんがあります。私の好きなものを何でも食べていいという話とはずれていましたが、そこでおそばを食べて、そのあたりをぶらぶらし、1時になると夫は目的の建物の中に消えていきました。
向かい側に、ダイオウマツが見えたので、私は松ぼっくりを探しに行きました。
掃除が行き届いているのか、傷んでいない松ぼっくりはほとんど落ちていませんでした。
右のは、踏まれて傷んだのかリスに食べられたのか不明です。
ダイオウマツは、世が世なら水戸のお殿さまであった徳川宗敬(むねよし)が、サンフランシスコ条約締結(1952年)のおりに、アメリカより持ち帰ったのが最初らしいので、水戸とは深い関係にあります。
世にはどんぐり派と松ぼっくり派といるようですが、私はどうやらどんぐり派、記念写真は撮りましたが、松ぼっくりはストーブの餌となりました。
さて、夫の用事はすぐ終わると聞いていたのですがたっぷりかかり、しかもいったん別のところに行ってそこでも待ち、また最初のところに帰ってきたりして、私の誕生日は待ちぼうけの連続となりました。
おかげで、いつもは車でちらっと見るだけのこれを、写真に撮ることができました。
黄門さまがご覧になったらどう思われるか、私は当事者ではないのでニヤッとするだけです。