2011年4月30日土曜日

齧歯目




食卓で、夫とお茶を飲んでいると、土間の入口近くにある、動物出入り口の扉が、パタンと音を立てました。
続いて、たったったっと軽快な足音、
「あっ、トラだ」と、見もしないで私。

トラが食卓の横を駆け抜けたとき、
「ぎゃあぁぁぁ!」と、夫が叫びました。普段、叫び声を上げたりする人ではありません。

「ネズミを持ってきたの?」
「いや、しっぽが長かった」




どやどやとついて行ってみると、トラは、書斎の床に獲物を投げ出して、余裕で毛づくろいをしています。しかし、時折見上げる目に、「どうだ!」という自慢が見えています。




庭に葬ってやりましたが、リスにしては足が長すぎる気がします。
もっとも、足をお行儀よく折りたたんで座っているリスのイメージが強いけれど、このくらい足が長いのかもしれません。




鋭くてかわいい歯と、




きれいな足を持っていました。合掌。

2011年4月29日金曜日

椿






遠くからでも、道にごてごてと、鮮やかな色のまま落ちている椿には、どきっとさせられます。




でも、よく見ると、以外に美しいものです。




以前、海岸で拾った椿の実です。
種を遠くまで運ぶことに成功して、安堵の胸をなでおろしている、椿でした。

2011年4月28日木曜日

ど根性ヤマユリ





ヤマユリが、アスファルトの道に芽を出しています。
ヤマユリは八郷の花ですが、近年、人が持ち帰り、猪が掘り起こして球根を食べ、すっかり少なくなっています。
ちよさんの話では、昔は、そこいらじゅうに咲き乱れて、季節になると、あたり一面よい香りがただよっていたそうです。

そこで、ヤマユリも考えました。アスファルトから芽を出せば、誰にも抜かれないではないかと。




もっとも、アスファルトの山道は、一年に一度住民総出の草刈が行われるほかは、積もった落ち葉をさらう人もなく、どんどん侵食されているところです。
見にくいのですが、U字溝の向こうにも、ヤマユリが一本生えています。クリックして画面を大きくすると、見えるでしょうか?

花の季節が楽しみです。


2011年4月27日水曜日

春の赤





木々の白っぽい緑が、日一日と濃くなっています。

いきなり強くなった陽ざしに負けないように、カエデの新芽は紅色対策をとっています。




出猩々(デショウジョウ)は、一年のうち、今が最も美しいときです。




そして、病気に弱いベニカナメも、元気いっぱいです。

春には、白い花が目立ちますが、赤い葉っぱも目立ちます。





2011年4月25日月曜日

ウコギ





二年ほど前でしょうか。熱海のTさん&Mさんご夫妻からウコギの苗をいただきました。
「どんどん大きくなるから」と言われたのに、土地があまりあっていなかったのか、昨年はやっと生きているだけといった感じでした。
しかし今年は、この土地に馴染んだのでしょう、とってもたくましく伸びています。

ウコギは、米沢藩主となった上杉家が、食用にもなる垣根として奨励したもので、山形の春を告げる山菜です。




たくさん摘むのはかわいそうなので、ちょっとだけ、いただいています。
昨日は天ぷらにしていただきました。




そして今日は、ウコギめしをつくりました。
炊き上がったご飯に、生のまま刻んで、塩をまぶしておいたウコギを混ぜるだけです。美味でした。





2011年4月24日日曜日

羽は一枚だけ





これもフタバガキ科の種でしょうか?
はじめから羽は一枚しかありません。全長5センチほどの、小さな種です。
羽が一枚だと、落ち方も違ってくると思いますが、なにか一枚になる必要があったのでしょう。




これはこれで、なかなかかわいい感じです。

2011年4月23日土曜日

多羽のフタバガキ





フタバガキ科の種は、羽が二枚のものが一般的です。
しかし、中には三枚目の小さな羽がちょこっとついているもの、そしてはじめから、たくさんの羽がついているものもあります。




Shorea Farinosaや、Shorea roxburghiiは、羽が四枚、五枚ついているのが当たり前です。





花が咲いたあと、こんな形に枝にぶらさがって、そして時期が来たら、次々と飛んでいきます。
といっても、実際には、この構造では、そんなに遠くには飛んでいきませんが。

2011年4月22日金曜日

コリアンダー(パクチー)





庭の一角です。タンポポ、カラスノエンドウ、ナズナなどが、急に大きくなりました。




それらを容赦なく抜いてみると、越冬したコリアンダーが隠れています。
本当は、杭の右側に生えて欲しいのですが、毎年勝手に広がっていきます。
杭の外で見つけたものは、秋のうちに移植したのですが、移植したのは、あまり大きくは育っていません。




ちょうど食べごろです。
久しぶりにタイの春雨サラダ(ヤムウンセン)でも、つくりましょうか。


2011年4月21日木曜日

ブナ




もっと寒くて標高の高いところにしか生えないと思っていたブナが、筑波山にも自生していることを知り、数年前に、花木センターで小さなブナの苗木を一本買ってきて、植えました。

クヌギやコナラのように、あっというまには育ちませんが、それでも毎年、少しずつ大きく育っています。




このところ、ちょっと寒さが戻ってきたので、開こうか、もう少し開くのを待とうかと、葉っぱが迷っているようです。




ブナの葉は、彫りの深い小判型です。

昔の人の植えた木々を見ながら暮らす日々ですが、このブナもいつか大木となり、未来の人の目を楽しませるでしょうか?



2011年4月20日水曜日

林のタコ





林の中で見慣れない実を見つけました。
いくつか見つけたので、上から落ちてきたものでしょう。




見上げても、ただの雑木林で、どこからおちてきたのか、なにものか、今はわかりません。秋になったら、わかるでしょうか?




一つは、まるでタコのようです。
タコの頭は薄くなっていて、中には何も残っていません。大きさといい、感じといい、種を出したほおずきそっくりです。




タコにしては、足は六本だけでしたが。


2011年4月19日火曜日

莢から落ちていた豆






カンボジアの籠を写していたら、中に豆が入っていました。
あれっ。なんだろう。
そういえば、別のところに莢だけあったのを思い出しました。




こちら、Xylia xylocarpa




ちょうど豆が入りそうですが、ちょっと入る場所の厚みが足りないような...。




ではと、別の莢も取り出してみます。




なんだか、こちらにもぴったり入るみたい。
でも、この莢は、くるくる巻きすぎて原型をとどめず、なにものかわかりませんでした。

どっちの豆だろう?



2011年4月18日月曜日

さくら散る





久しぶりに滝まで散歩しました。地震後、はじめてです。
今年は桜も見ずに過ごしました。さくらは早散っています。




花のまま、散っているさくらもありました。




道路の一部には、地震のとき走った亀裂が、長く伸びていました。




誰が食べたのだろう。小さな小さな松ぼっくりのエビフライが一つ、落ちていました。





2011年4月17日日曜日

大麦の芽





昨年、麦わら細工をしたい一心で、大麦畑から、刈り残した穂を拾ってきました。
わらしべだけとる作業をしたり、必要な部分をとったあとの麦わらを、焚き火場まで運んで焼いたりしたので、麦の種が庭にこぼれて、あちこちから芽を出しました。
まだ小さい麦もあれば、




しっかりと実っている麦もあります。

新しい麦の穂の、柔らかい緑色のきれいなこと。
放っておけばまた種がこぼれて、数年後にはそこいらじゅうすっかり麦畑になるでしょうか?






2011年4月16日土曜日

材木屋さんの石





材木の割れ防止用ボンドを塗る作業がやっと終わりました。
四面を塗るために、太い材木を動かしながらの作業だったので、腰が疲れました。

材木屋さんの事務所の前には、黒い玉砂利が敷かれています。たぶん、那智石と言われているものですが、中国からきたものかもしれません。




材木屋さんとは十年近いおつき合いです。
まとめて注文する以外に、ちょくちょく材木を買いに行きますが、夫が事務所に入る短い時間、私は事務所前に座り込んで、敷石を見ています。

このごろでは、事務所先にいると、「中でお茶にしてください」と呼びに来てしまわれるので、あまりじっくりと、石をながめてはいられません。
でも、「今日は線入り」とか、「今日はまん丸」と決めて、ちょこちょこと拾ってしまいます。
ただし、一度に三個以上は拾わないようにしています。




材木屋さんだけでなく、ご近所のいろいろなところで拾った石たちです。




といいながら、石を入れているルソン島の木のお椀には、種も紛れ込んでいます。
上の写真、石は二つだけです。

十年もたって、材木屋さんの石は、ずいぶん少なくなった感じです。もちろん、私がいただいてしまったからではありません。だんだん埋まったり、土がかぶさったりしているからです。