骨董市の会場の「栗の家」の、道沿いのメタセコイヤは、今年に入ってコテンパンに切られてしまいました。今では、道からは離れた場所の数本だけ残っています。
その残ったメタセコイアの一本だけに、実が鈴生りに生っているのは知っていました。
先日、骨董市に行くと、あまやさんがシートを広げて、その上に民族人形をたくさん、無造作に転がしていました。
「あれあれ」
と近づくと、シートの脇の地面のあちこちにメタセコイヤの実が落ちていました。あまやさんの広げた店は、実が生っているメタセコイアの真下だったのです。
思わず、人形を見る前に、
「ちょっと待ってね」
と言って、メタセコイアの実を拾おうとしましたが、ほとんどつぶれていました。
「おれが踏んじゃったからね」
「いいのよ、気にしないで。もう持っているし」
それからあまやさんは、ひとしきり、実つながりでモミジバフウの実のたくさん拾える場所を教えてくれました。ただ、そのモミジバフウは街路樹なので、定期的に枝打ちされるらしいのです。
「前はさぁ、今年は左側っていうふうにまとめて枝打ちしていたけど、今は何本おきとか、変なふうに枝打ちするのよ。切ったら次の年は実が生らないからね。まとめて拾いにくくって」
どうやら拾って、四個100円とかで売っているようでした。
さて、メタセコイアです。
形をとどめていたのを三つだけ拾いました。また今度、骨董市の開かれていない週末に行ってみましょう。
メタセコイアの実をそこいらに転がしておいたら、種がこぼれていました。
メタセコイアは、案外成長の早い木です。ここいらでも、あちこちに植えてありますが、どれも大きくなっています。
新芽もきれい、紅葉もいいのですが、私は好きではありません。理由は、樹形です。
我が家の近くの山の中に、何故か一本、メタセコイアが生えています。いったい誰が植えたのでしょう。入って行ったことはありませんが、画家のKさんが近くに住んでいますから、Kさんの植えたものかもしれません。
冬以外は目立たないので問題ありませんが、冬に葉が落ちると遠くから、一本だけ樹形が目立ちます。他の木は、お互いに溶けあって一つの景色をつくっていますが、メタセコイアだけ、鋭角に尖がった、大きな三角形が、異質過ぎるのです。それが、年々大きくなっているのです。
外から家に向かうとき、嫌でも目に入り、うっとうしいなぁと思ってしまいます。
メタセコイアに罪はないのですが。
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