一昨年、道端でオカトラノオの小さな根つきを三つほど掘って来たことがありました。
「どこに植えよう?」
我が家の庭は作業棟を建設中なのでまだ流動的、うっかりしたところに植えると、いつ掘り返されたり、石や材木を置かれたりするかもしれません。
「そうだ、ジンジャーの脇はどうだろう」
フィリピンのマニラで留めていただいた家の庭からいただいてきたジンジャーは、よい香りの花を咲かせます。
しかも、我が家の植物の中では、ジンジャーは破格の待遇を受けていて、最初に植えたところから動かされることもなく、コンクリートの低い塀で囲われ、高く伸びたのが倒れないように、パイプを渡した倒伏留めまであります。
昨年春、オカトラノオが芽を出したので楽しみにしていたところ、しばらくして見ると、跡かたもなく消えていました。
「ジンジャーの中に生えていた草にさわった?」
「ああ、全部抜いたよ」
なんということでしょう。めったに草むしりなどしない夫が、雑草と思って全部抜いてくれたのでした。
おかげで、昨年はオカトラノオの葉も花も見ることもありませんでした。
「今年は出てくるかな?」
五月の終わりごろの写真です。
建設現場のすぐわきですから、めちゃくちゃいろいろなものがはみ出していて、草も生え放題です。
それでも、ジンジャーと共に、オカトラノオも芽を出していました。根が生き残っていたのです。
元気に育つよう、草をむしってやりました。
それからほぼ一ヶ月、オカトラノオは元気に伸びて、蕾をつけていました。
うっそうと木が生い茂って、半日陰のSさんの庭では増えすぎて持て余しているというし、日差しを遮るもののない、かんかん照りの道端でも元気に育っているし、他の草が丈高く覆い茂っているところでもかまわず育っているくらいだから、オカトラノオはもともと何でもありの、生命力のつよい植物なのでしょう。
今朝見ると、花が咲きはじめていました。
やっぱりかわいい。 私は好きです。
まだ一輪だけど、続々と咲くことでしょう。
いつか、Sさんの家のように持て余すかもしれないけれど、しばらくは楽しむことにします。
なんてったって、コンクリートの塀で守られているのですから、ちょっとやそっとではなくなりません。
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