ミヤコワスレが、春を忘れずに咲きはじめました。
ミヤコワスレの花の色は紫、紫と言えば京の都の色。
ということでこの名前がついたようですが、その昔、高貴な人しか着なかった紫色の着物は、何で染められていたのでしょう?
日本では、紫草(花の色は白)の根を乾燥させ、石臼に入れて杵でつき、それを麻袋に入れ、湯を注いで漉して染料をつくりました。紫根から紫の色素が出なくなるまで、いくども麻袋をしぼり、染液をとるという手間暇のかかった色だったから、特別な人しか着ることが許されなかったのでしょう。
また、西洋では、貝染めが行われました。
小さな貝(アッキガイ科)の内蔵(パープル腺)から得られる分泌物で染色するもので、物語にも、ローマ皇帝にしか許されなかった紫色のマントを着た皇帝の姿が、よく出てきます。
貝から採取される紫はほんのわずかで、2000個の貝を集めても、得られるのは僅か1グラムにすぎなかったとか.....。
紫草の根といい、貝といい、そんなにまでして衣服に移したかった紫を、自然界では、いろいろな花が、やすやすと手に入れています。
そしてその近くには、放浪の好きなタツナミソウや、
これまた放浪癖のあるムラサキサギゴケも、人間が出すのに苦労した紫色を誇示するように咲いています。
2 件のコメント:
菫色、春の花の紫色のグラデーション、素敵です!
大好きな色なのですが、身に着けると…全く似合わない…そうかぁ、高貴な方の色なんだあ…納得(^^)。
karatさん
紫は東西を問わず、選ばれた人の色でした。それだけ、染色が難しかったのでしょうね。
ローマでは皇帝の色は紫でしたが、ローマ軍のマントや兜の房の色は緋色でした。これもやはり洋の東西を問わず、染色が難しく、選ばれた人だけの色だったようです。
私も紫似合いませ~ん。ていうか、洋服では着たことないんじゃないかしら(笑)。でも、着物だったら着られそうですね。母の着物なんかで、紫の縞の銘仙とか、ありました。
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