2010年3月31日水曜日

田んぼの石



整体師のKさんが、田んぼを借りて、お米をつくることになりました。ものすごく張り切って、すでに1トンもの堆肥も入れました。
でも、その田んぼはどう見ても平らじゃありません。「目の錯覚かなあ」なんて言っていたのですが、誰が見ても傾いていて、とうとうKさんは土を動かしはじめました。
そこで、我が家の測量機械を持って行って、測ってみることにしました。




測ってみると、やっぱり、平らじゃありませんでした。高低差にして、26センチもありました。10年も休耕していたとはいえ、水田だったのに、どうしてこんなに傾斜したのでしょうか。

我が家の田んぼも含めて、長いあいだ使われていなかった田んぼは、たいてい、「わけあり」の田んぼです。水が抜けるとか、反対に水が湧くとか、小さすぎて、機械が入らないとか。Kさんの田んぼの「わけ」は、はびこっていた草ではなくて、土地の傾斜でした。




その田んぼで、小石を拾いました。丸い、川原の石のような石です。
我が家の田んぼも石だらけですが、もっと大きくて、角の尖った、ごつごつした石ばかりです。我が家の田んぼは、山ひだと山ひだにはさまれた谷津田で、むしろ石の上にやっと土が乗っているといった方があたっているくらいの田んぼですが、Kさんの田んぼには、あたりまえですが、石はほとんどありませんでした。




Kさんの借りた田んぼのまわりは大きく開けていて、奥には恋瀬川の土手が見えます。ここは恋瀬川の源流から12キロほど下がったあたりです。源流は低い山ですが、12キロも流れると、川はそれなりに太くなっています。その水量をあてにして、こんなにたくさんの、田んぼがつくられたのです。
丘を削ったり、谷を埋めたりしたときに、川原の小石が混じったのでしょうか?それとも、30年ほど前に基盤整備をしたときに、雑な仕事をして、小石が混じったのでしょうか?
今では、どの田んぼにも蛇口がついていて、ひねると霞ヶ浦から引いた水道水が出るようになっています。

「26センチも高低差があるのに、手で平らにするのは無理だよ」と、夫はKさんに言います。私も、休みの日だけを使って、田植えまでに6立米もの土を動かすのは、至難のわざと思います。しかし、考えてみると、昔の人は、鋤と鍬だけで、こんなに広い田んぼをつくり出したのです。

2010年3月30日火曜日

草の種



タイのつる草の種。
固くて、光沢があって、金色に輝いています。長い方で2センチくらいの大きさです。

この種の形が、奈良の唐招提寺のうちわとそっくりなので、「持っていたはずだなあ」と、さがしましたが、紙なので破れてしまったのか、見当たりませんでした。

2010年3月29日月曜日

やっぱり海から来たのかな



箱が好きです。焼き物の箱、木彫りの箱、ブリキの箱、編んだ箱、曲げ木の箱などなど。

比較的小さい箱を明けてみると、たいてい石が入っています。
一応、別の機会や、別の場所で拾った石どうしは、混ぜないようにしているのですが、入れたまま何年も放っておいたり、そのまま引越ししたりで、どこで拾ったか覚えてないどころか、拾ったことすらも忘れられている石もあります。
この石は、丸いのに、シーグラスが混じっています。ということは、海から来たのでしょうか。

2010年3月28日日曜日

好きじゃないけれど



あんまり見たくないものだけど、毎年目にします。なに虫?
今ごろ地面に転がっているようでは、あまり輝かしい未来がなさそうです。先日、コナラを切ったとき、落ちたものでしょうか。




6センチもある、大きなカミキリムシ。どうして季節はずれの今ごろ、歩いているのでしょう?よく見ると、触角が一本折れています。もしかして、コナラの小枝を燃やしていた私が、知らずに折ったのでしょうか?

2010年3月27日土曜日

草遊び ノカンゾウの花嫁 



散歩がてら、つくしを摘んで帰っていると、犬を散歩させていたえいこさんに会いました。
つくしの話から、野草の話になり、このところ、ノカンゾウ(野萱草)の三杯酢とか、おひたしばかり食べていることを話しました。我が家の庭のノカンゾウは、もともとえいこさんの庭からもらってきたものです。

えいこさんは、「ノカンゾウを食べたことはないけれど、小さい頃、お嫁さん人形をつくって遊んでいた」と、言います。さっそく、道端のノカンゾウを摘んで、つくり方を教えてもらいました。このあたり、ノカンゾウはどこにでも生えているのです。




我が家に帰ってから、私もつくってみました。春の柔らかい色の美しさ、角隠しも初々しく、かわいい人形ができました。




後姿もなかなか。




横顔も素敵です。これまでは、もっぱら食べるだけでしたが、小さい子どもが遊びに来たら、つくって見せてあげたいものです。

ノカンゾウの蕾を乾燥させたものは、金針菜と呼び、中華料理の材料です。タイやカンボジアに住んでいた頃は、よく買って、スープをつくっていました。
生の蕾は、まだ食べたことがありませんが、ずいぶん株が増えたので、今年は挑戦してみようと思います。

2010年3月26日金曜日

小さい舟 ビープ


写真上の、薄い種の入った舟、プカー・マリットマイ(タイ語)は、舟の長さが70センチですが、大きいものでは、なんと120センチもあるそうです。残念ながら、私はそんなに大きな実は見たことがありませんが。

写真下の、短いものは、長さが30センチほどの、やはり固い舟に種を入れた、ビープ(タイ語、学名はMillingtonia hortensis)です。
プカー・マリットマイは、樹上に長く伸ばした枝の先に実をつけますので、その姿がとても特徴的ですが、ビープの方は、当たり前な形、つまり普通の枝から、普通にぶらさげて、実をつけます。

タイの開けた森の中で拾いました。岩場にもよく生える、中くらいの高さの木です。
舟の中の右の方、種を押さえている板が半分残っています。




無理やりはずしてみますと、薄い羽をつけた小さい種がお行儀よく並んでいました。
こんなにたくさん種がこぼれたなら、あたりいったいこの木ばかりになってしまいそうですが、ビープは、どちらかといえば、岩場を好んで生えたりする木なので、条件のよいところに着地できる種も限られ、そのため、たくさんの種が必要なのでしょう。




種は、羽も入れて、幅が2センチほどの小ささです。
小さくて、岩の隙間などにもぐりこむのは得意なのでしょう。こぼれると、拾うのがたいへんな種です。

2010年3月25日木曜日

ウバユリ 昨日の続き



自分の守備範囲のことしか知らないで過ごしていますが、ウバユリのように教えていただくと、関心が広がって、嬉しくなります。
石のことも、奥にも間口にも、少しずつひろがっているような気がします。

ウバユリは、女子栄養大学出版部から出ている『食用植物図説』を見ると、食してもなかなかおいしそうです。葉も、鱗茎も食べられます。
学名のあとに、命名者の名前も出ていて、MAKINOとなっているので、『原色牧野和漢薬草大圖鑑』も見たのですが、こちらには載っていませんでした。ほとんどの植物が、なんらかの効用があるということなのか、たいていは載っているのですが、ウバユリには薬草としての効用は期待できないということでしょうか。




おもしろかったのは、昭和58年に発行されている、『山菜事典』の記載です。
採りかたとして、「鱗茎はシャベルで掘り採ります。しかし、鱗茎を掘ることはお薦めしません」と、あります。
「シャベルまで用意させて、どうせいちゅうねん」
笑ってしまいました。

拾った種は、少しだけ我が家の雑木の下に蒔いて、あとは、もとのせせらぎのあたりに蒔いてやります。ユリ長者の夢は消えましたが、これも友人からその存在を教えていただいた高砂ユリが、今年は大きな株になって、たくさんの花を咲かせてくれそうです。

2010年3月24日水曜日

山百合の種



いつもの散歩コースから、谷川に沿って山の中に入ってみました。
せせらぎの脇をちょっと行くと、すぐに道らしいものはなくなります。いばら、榊、アオキなどのブッシュのなかに、山百合の実が顔を出して立っていました。山百合は、ずいぶん人やイノシシに掘られてしまっているのですが、それでも季節になると、あちこちに花を咲かせて、楽しませてくれます。




実を摘んで、帰ってから開いてみると、こんなに種が入っていました。
自然だと、土の上に落ちるだけで発芽するのでしょうか。それともこんなにたくさん種があるのに、そこいらじゅう山百合だらけになっていないということは、とても発芽しにくい種なのでしょうか。

いずれにしても、蒔いてみようと思います。
全部発芽したら、我が家は山百合御殿、私はさしずめ、山百合長者といったところでしょうか。

追伸

Shigeさんに教えていただいて、山百合の種ではないことが判明しました。ウバユリと訂正します。

2010年3月23日火曜日

猫石





この石を見ると、二毛の猫を思い出します。しっとりしていて、母のところにいた猫のハイジそっくり。




と見えましたが、左の石は三毛でした。




カンボジアの猫、さすがに痩せています。
カンボジア人は鷹揚で、屋根の上に、網も被せずに、籠に入れた肉なんか干していますから、野良猫も一応食べられるのですが、ちょっと下痢したりすると、あっというまに死んでしまいます。

2010年3月21日日曜日

平たい石



私の石拾いの基準は、たいてい、丸いか丸くないかです。丸い石が大好きで、拾った石の95%以上は丸い石ですが、中には、長丸いもの、平たいものや細いものもあります。




この石、とってもきれいな黄色ですが、どう撮ってみても、その黄色が出せません。
上の、達磨さんのような石も、黄色い石も、平らです。




藤色の石、ただの藤色のようですが、




ひっくり返すと、右と真ん中の石は、灰色の部分がくっついたようになっています。
どの石も、すべすべしています。

もしかして、石が丸くなるのは川だけで、海では、石は丸くはならないのでしょうか。

2010年3月19日金曜日

つくし



散歩の途中で、つくしを摘みました。この春初めてです。
毎年摘んでいる場所では、まだ頭も出していないのに、日当たりのいい道端のつくしは、もう盛りを過ぎようとしていました。

この量では、はかまをとるのも、たいした苦労ではありません。欲張って、収穫籠いっぱいに採ってくると、爪を黒くして、はかまを取るだけで、何時間もかかってしまいます。

一度、茹でこぼしてから、卵とじにしました。
フキノトウ、菜の花、つくしと、このところ、春の味覚のオンパレードです。

ウグイスの初鳴きはずいぶん前に聞きましたが、その後、後続の声は聞こえません。一羽だけ、早すぎたのでしょうか。

2010年3月17日水曜日

つる草のゴンドラ



タイの道端、林の入り口などに、ちょっとした茂みがあると、たいていつる草が絡んでいます。中に、ただの雑草ですが、風船のような実をつけ、はじけると、まるでゴンドラのように、落下傘を逆さにしたような実が風に揺れる草があります。そのかわいさ、見たら、ついつい手を伸ばしたくなります。
これは、はじけた実の直径が2センチくらいの小さいものですが、大きいものでは、直径5センチ以上のものもあって、それはそれは見事です。




実のときの無駄のない形、開いたときに見える、あらかじめ上手に畳んであったひだひだ、ゴンドラをぶら下げている、何本にもわかれた細い糸などなど、自然の造形に、また、脱帽です。

2010年3月15日月曜日

化石のような種



なんの種? まったくわかりません。どこで拾ったのかも覚えていないし、気がついたらあった種です。石みたいな手触り、ちょっと重いし、なんだか、化石みたいです。

2010年3月14日日曜日

縄文土器 その2




そろそろ、地面にへばりついて、寒さをしのいできた、タンポポやナズナの葉が立ち上がり、むくむく伸びて、花を咲かせる季節になりました。




毎年、油断していると花盛りを迎えてしまうナズナ。草むしりを兼ねて、昨日はまだ茎を伸ばしていないナズナを摘んで、おひたしにしました。
「菜摘み」と、万葉の歌に読まれているナズナ、たいへん美味でした。




久し振りに、縄文土器も拾いました。これは、パワーショベルで掘り返したところではないところにあったので、かつて、この土地にタバコを栽培していたとき、掘り返して、地表に現れたものでしょう。
益子の方では、畑を掘り返すと、平安時代の土器が出てくるそうです。同じ土地に、営々と積み重ねられる生活を垣間見る楽しさ、私も使っている食器を、後世の人のために、一枚埋めておきましょうか。


2010年3月12日金曜日

プラタナス



たけさんの家を過ぎ、山に入ろうとする口のところに、大きなプラタナスが2本立っています。その下には、その昔、町のおばあさんが隠居所を立てて、一人で住んでいたそうです。数年後、おばあさんは年をとったので、家族の人が連れ帰って、家も取り壊されたとか、残っているのは、大きく育った白モクレン、山椿、そして、プラタナスなどの木々ばかりです。

昔のことだから、ご隠居さんが車を運転したとも思えません。何故、バス通りまで歩いて20分、郵便局まではゆうに30分かかるこんなところに、住んだのか、何故、普通は街路樹としてしか植えないプラタナスを、家のまわりに植えたのか、聞いてみたい気がします。たけさんに聞いても、「知んねえよ、おかしいよなあ」と、言うだけですから。

プラタナスの樹上には、この季節でも、たくさんの実が残っているのが見えます。しかし、ほとんどの実は藪の中に落ちるとみえて、あるいは、動物に拾われてしまうとみえて、道路上に落ちているのを見かけるのはまれです。




それでも、ときどきは落ちています。左の小さいのは、育ちきらないで落ちた実です。

2010年3月9日火曜日

タカラガイ



写真を撮ろうとさがしだしてきた銀の箱、振ると音がします。




中には、小さなタカラガイが入っていました。




タイで拾ったのか、カンボジアで拾ったのか、それともその両方で拾ったのか、あまり覚えていません。我が家では、貝は、木の実や種ほどだいじにされてないような気もします。

それにしても銀の箱の黒ずんでいること、「銀器を磨くほど、優雅な生活はしていないからねえ」と言い訳しながら放っておこうとしましたが、なんだかかわいそうな気がして、歯磨き粉をつけて、ちょっとだけ磨いてみました。
やっぱり、磨けば光る、ちょっとだけですが、輝きが出ました。


2010年3月7日日曜日

フキノトウ



つぼみだった紅梅は開いて、




マンサクは、今が盛り、美しい季節到来の予感です。

たけさんが、我が家の裏のフキノトウをさがしに来ました。
「ちよさんののフキノトウは遅いのよ。二十日過ぎないと出てこないから」、「そうかい」。
ちよさんのフキノトウは私もチェック済みでしたが、たけさんと話しているうちに、我が家にも植えたフキがあることを思い出しました。




「あちゃー」、また今年もやってしまいました。遠目にも、フキは花盛りです。

「勝手に採っておくれ」と言われているちよさんの畑のフキノトウは、出てきたら、足の悪いちよさんに届けようと、チェックを欠かさないのですが、我が家のフキは、いつも、あったことを忘れてしまいます。次の年こそは、忘れないようにしようと誓うのに、毎年忘れてしまって....。植えたところが、悪かったのでしょうか。




それでも、ましなのもあったので、たけさんと半分分けしました。





油で炒めて、酒、しょうゆ、みりんで味をつけ、ビールの肴にして、ちょっとだけ春を味わいました。

2010年3月6日土曜日

松ぼっくり



我が家を出て、山の方に向かい、たけさんの家を通り過ぎたら、もうあたりは深山の趣です。といっても、深山の趣は最初と最後だけで、途中は坂も比較的ゆるく、見晴らしの利くところもあります。




そして、自動車道路はこの滝で終点です。滝の上、左側に、このあたりの氏神様のお不動様が祀られています。低い山波ですが、一年中、滝の水が枯れるということはありません。だからこのあたりには、縄文の時代から、人々が住み着いていたのでしょう。
我が家からは、20分ほどの道のりです。




これが、滝つぼと、私が呼んでいるところ、ここで、角の磨り減った、丸い石を拾います。




あまり、滝を訪れる人もいませんが、イノシシ打ちの人や、山菜取りの人が訪れ、桜の季節には、桜見物の人々も訪れます。そんな自動車に轢かれてしまった松ぼっくり、みんな、蓑のような形になっています。




なにか、三葉虫にも見えませんか?