2018年7月31日火曜日

見果てぬ花(二)

朝、それでも気になってカラスウリを見に行きました。


すっかりしぼんでしまっています。


その夜咲こうとしているつぼみとは、24時間で大違いの姿です。


たくさん咲いたと見えて、しぼんだ花があちこちにあり、


道にも花が落ちていました。
下は落ちたばかりの花、上はその前日のものか、前々日のものです。


その日、我が家のある丘の下を流れる渓流に沿って散歩すると、しぼんだばかりの花がたくさん見えました。


夜は豪勢なカラスウリの花祭りだったようでした。

「やっぱり花を見るかなぁ」
そのときは、そんな気持ちが芽生えてきました。
それなのに夜、なんだか眠くて、カラスウリの花のことは忘れ果て、早々と寝てしまいました。
真夜中に目が覚めて、カラスウリのことを思い出しました。
「見る?」
夫も寝ているし、隣の家も寝ているだろうから、車の音をさせるのははばかれます。では歩いて行くかというと、その気もなくまた寝てしまいました。

そんなことの繰り返しで、何度目かに目が覚めたのは、四時半。外はうっすら明るくなっていました。
「まだ、咲いているだろうか?」
明るくなるということは、素晴らしいことです。


花は、見事にしぼんでいました。


今夜は頑張って見ようかなぁ。






2018年7月30日月曜日

見果てぬ花


昨日散歩していたら、カラスウリのつぼみが、たくさんありました。
今夜咲くのか、明夜咲くのか?


歩いて、ものの数十メートルのところなので、昼間には、
「夜になったら見にこよう」
と軽く思っていたのですが、いざ夜になったら億劫で、すっかりその気が失せてしまって、行きませんでした。

これは道端だから、車に乗ってでも行ける。
いやいや、やめておこう。
夜は私を、消極的にします。






2018年7月29日日曜日

トチの実

大きく育ったのに長いあいだ花を咲かせなかったトチノキ、昨年に続いて今年も少しだけ花を咲かせました。


で、実も生ったのですが、それが部屋からよく見えるところに生りました。


人形の肩のあたりにも、もう一房生っているのだけれど、見えるでしょうか?
 

毎年のように、
花が咲かないなら伐る
夏にさび病にかかって葉が茶色くなって落ちるなら伐る
と、有言無言の圧力をかけられているので、それに応えようとよく見えるところに実をつけ、葉も枯らさないで、トチはトチなりに頑張っているのかもしれません。









2018年7月27日金曜日

せめぎ合い

八郷のあたり、ずっとイノシシが出没しています。
我が家は、Sさんから聞いた、コーヒーの出がらし利用の撃退法を続けたので、秋から春にかけて、いつもの年より来なかった気がしました。コーヒーを入れたあとの出がらしを撒いておくと、焦げ臭いにおいを嫌って近づかないというものです。

ところが、その神話も崩れたというか、また掘り返されるようになりました。


困るんだよねぇ、土手を壊されると。


もちろん、ここにコーヒーの出がらしを撒きましたが、今朝見たら、


掘られた面積が広がっていました。
 
スモモは、今年はよく生ったと楽しみにしていたら、まだ青くて酸っぱいというのに、全部なくなってしまいました。犯人はハクビシンでしょうか?
ブルーベリーも盗まれている気がしますが、これから本格的に熟れる木もあり、少しは私たちの口に入ることを祈るばかりです。








2018年7月26日木曜日

蝉たち

すっかりご無沙汰してしまいました。
自然と遊ぶ余裕もなく、バタバタしていたということでしょう。

かつて、もう一本ケヤキの木があった頃、その幹には毎年、ニイニイゼミの抜け殻がたくさん残されていました。しかし、そのケヤキを伐ってしまったあと、ニイニイゼミの抜け殻はあまり見なくなっていました。


ところが今日、ヒメイワダレソウの間の草を抜いていて、草の間に五個のニイニイゼミの抜け殻を見つけました。


高くても地面から10センチ以内、


ほとんどは落ちてしまったのでもあるまいに、地面に転がっていました。


泥まみれのニイニイゼミの抜け殻、とってもかわいいものです。
    

お昼過ぎ、金魚のいるつくばいをのぞくと、ケヤキの葉とミンミンゼミが水面に浮いていました。朝見たときにはいませんでした。
なんとなく抜け殻とは 雰囲気が違うと、拾い上げてみたらセミそのものでした。


小さな羽も見えるので、殻から抜け出した後、何かあったのでしょうか。多少の風は吹いていましたが、ケヤキの枝にいたのに風に飛ばされたとしたら、ずいぶん高いところにいて、ずいぶん遠くまで飛ばされてきたものです。

つくばいで見つけた時の写真を撮り忘れたと、考えもせずに葉っぱと一緒に水に戻したら、セミは一瞬で沈んでしまいました。まいったなぁ。せっかく金魚の水をきれいにしたばかりというのに、セミを沈めてしまいました。

それにしても、ケヤキの葉っぱと一緒だったとはいえ、何故浮かんでいたのか、それが謎です。





2018年7月21日土曜日

世間知らず


一昨日のこと、枠に糊をつけ、障子紙の端がしっかりくっつくように短い曲尺で抑えている最中に、どこからか中くらいの大きさのカマキリがやってきました。
障子に乗ると、私の持っていた曲尺にすたすた上ってきて、私にちょっかいを出そうとします。
「なんだ、馴れ馴れしい」


そして、カメラを構えたら、
「なんだ、なんだ」
作業台の端からカメラめがけて飛んできて乗り、さらに私の腕に移ってきます。
何という世間知らず、相手が私でなくトラだったら、あっという間にあの世ゆきです。


なにせ、苦手の障子張りの最中、糊が乾いてしまうので、作業台を叩いて大きな音を出して脅かしてやったら、ようやく退散しました。


それでも、未練がましく後を振り返り、振り返り消えていきました。


障子貼り作業が何とか続けられましたが、世間知らずというか、挑戦的というか、かまってもらいたがりというか、おかしなカマキリでした。






2018年7月18日水曜日

河骨の葉


しばらく前に、どこかでコウホネが咲いたというのを耳にして、我が家のメダカ鉢をのぞいてみたことがありました。
どの葉も、今年の新しい葉ですが、水面下にあって、水上に伸びてくる様子がありません。


それが今朝見ると、一枚だけですがつやつやした葉が、水上に伸びていました。
「やったぁ」
水中の葉は、もしかして水中にとどまる役目を持っていて、水上に伸びる葉とは別ものかもしれません。
  

この黄色い新葉は、水中葉、あるいは水上葉、どちらでしょう?
浮草はいつも掬い取っているのですが、根絶は難しいと見えて、すぐ増えます。





2018年7月14日土曜日

スズメバチ

そろそろ、女王バチが一匹で巣づくりをして、一家を構える下準備をする時期が終わりました。
春先、越冬した女王バチは、一匹だけで巣に適した場所を探しまわり、適した場所が見つかったら、せっせと設営します。巣の基礎ができたら、働きバチたちがやってきて、さらに巣を大きくし、さらに働きバチを増やしますが、それまでは、たった一匹の仕事です。
多くの女王バチは、この一匹だけで働いている期間に、うまく巣がつくれなかったり、過労になったりして命を落とします。

この、一匹で行動しているとき、どれだけ巣をつくらせないようにするかが、人間側の課題です。

 

間違って家の中に入ってきたスズメバチは、そのままにしておきます。
 

いったいどこから入って来たのか、そのままにしておけば、出ることはできないので命を落とします。
これは母屋ですが、作業棟でも、入ったものの出られなくて、たくさんのハチが命を落としました。


作業棟の下屋の下、梁の上に電気配線して、全体は壁を張ってありますが、コンセントのある所に小さな扉をつけて、点検できるようにしているところがあります。


そこにも出入りしているハチがいました。ちょっと扉が開いていたのです。こちらは、入ったのを見計らって扉を閉めておきました。

昨年は高いところの軒下と、物置の段ボール箱の中の二か所に巣をつくられてしまいましたが、今年はどうでしょう?







2018年7月13日金曜日

鬼灯


馬骨さんにいただいたほおずき、今年も一本だけ大きくなりました。
もっと生えてもいいと思うのに、八重のドクダミに押されているのか、もっと手前に出てきたのに、私が踏んだり刈ったりしてしまったからか、ちっとも増えません。


小指の先ほどもない、小さなカエルがほおずきに訪問中です。


カメムシも来ています。
カエルはいいけれど、カメムシたちはいったい何をしているのでしょう?まさか、ほおずきをちぎろうとしているのではないでしょうね。


ほくろのあるカエルは、カメムシのことなどまったく気にしていませんでした。





2018年7月12日木曜日

たった一本だけですが

私はオミナエシにあまり好かれていないようです。
前に住んでいたつくばの庭に植えたのは数年で刈れました。ここにきて、仮設のビニールハウスに住んでいたころ植えたのも、次の年には出てきませんでした。

水が欲しいかとつくばいの脇に植えたオミナエシは、一昨年はよく咲きましたが、昨年は春に葉が出たものの茎は出ず、咲きませんでした。


今年は一本だけですが、茎をのばしました。
それにしても、オミナエシの脇の繁殖力の強いホトトギス、抜いても抜いてもすぐ繁茂します。花もぎっちり咲いて、全く風情のないホトトギスです。


「そうだ、ホトトギスを全部抜いてみよう!」
オミナエシのためなら、ホトトギスを根絶する決心をしたところですが、それをオミナエシが喜ぶかどうか。
来年も咲いてほしいものです。







2018年7月11日水曜日

ヤマユリ

先日、かれこれ40年近く前からの友人、M+M夫妻が正式に土地の契約を済ませ、八郷に移り住むことが決定しました。


M+Mの敷地に行くと、ヤマユリが咲いていました。
ヤマユリは「八郷の花 」でしたが、掘って持っていく心無い人もいるし、イノシシが根を掘って食べるので減る一方、山ではそう見なくなりました。


40日ほど前の6月の初めに訪れたとき、ヤマユリはつぼみを持っていました。


小さい、固いつぼみ。


それが、見事に咲いていました。


入り口だけでなく、林の中にも同じようなヤマユリの株がありました。
ところが、入り口のところの株は、たくさん花を咲かせていましたが、林の中の株には、花がついていませんでした。
ヤマユリも山の手入れをしてこそ、陽を好む、里山の花だったと知りました。

余談ですが、M+M夫妻が夫に家を設計して欲しいというので、これからちょくちょく会いそうです。
それにしても夫、建築科出身とはいえ、建築家として建てた建物は、卒業間もなくの広島のホテル一軒きり、あとは、以前住んでいた自分の家と今住んでいる自分の家だけなので、他人様の家を設計するのは初めてです。






2018年7月10日火曜日

サイカチ



遠野の一市通りの籠屋さんの軒先には、サイカチの莢がぶらさげてありました。


売りものかどうか、訊ねようと思っていたのに、いざお店に入ったら東北色の籠に夢中で、サイカチのことは訊き忘れてしまい、しばらくして引き返した時はもう閉まっていました。

「あれっ、ここにもサイカチが」
と思ったのは、花巻の農業伝承館でした。
しかし、農業伝承館では、織りものの道具ばかり見て、サイカチのことなど、気にもしませんでした。
サイカチにはサポニンが含まれているので、昔は石鹸として売られていたのでしょうか。それとも、去痰や利尿の生薬として使われていたのでしょうか?


と、ここまで書いたところで、hiyocoさんに教えていただいた、「湯がすり」の載っているブログの、「よねちゃんの車中泊旅行記」の農業伝承館の記事を見ていたら、サイカチの写真が出てきました。

「よねちゃんの車中泊旅行記」より

すごい、よねちゃんは何でも記録しています。
このブログには、サイカチは、生薬と石鹸のために常備されていたと書いてありました。わざわざ農業伝承館に収蔵してあり、よねちゃんの記述は説明書の写しだと思われるので、花巻、遠野辺りで広くサイカチが使われていたのでしょう。


サイカチは本州の中部以南から九州、四国に自生しています。
関東の八郷にも、トゲが多いことからサイカチを鬼門に植えている旧家があるので、本州中部以北でも育つのかもしれませんが、サイカチを生薬として、石鹸として常備するという話は、これまで、別の地方では聞いたことがありませんでした。

岩手あたりだけで、かつて、生活に必要なものとして、サイカチを常備されていたのでしょうか?