2011年7月2日土曜日

没薬(もつやく)





昔々の夫のソマリア土産の没薬(もつやく)です。
今たずねても、本人はすっかり忘れてしまっていると思いますが、おそらく首都だったモガディッシュか、北の方の小さな町のルークの市場で見つけたものだと思われます。

没薬は、古来から神に捧げる香りとして、珍重されてきました。聖書には、東方の三博士が、イエス・キリストの生誕に際して、金、乳香、没薬の三つの贈り物をしたと書かれています。

没薬はまた、古代エジプトでミイラをつくるときに使われいたというので、有名です。




没薬樹(ミルラの木、Commiphora myrrha)を見る(絵は、『花の王国』平凡社、荒俣宏著より)と、ソマリアで拾った刺のある植物と感じがよく似ています。
半砂漠のソマリアでは、年に数回しか雨が降らないので、木々は葉を小さくして水分の蒸発を最小限に抑え、大きな刺に水分を蓄えています。

没薬樹の幹を傷つけると樹液が出てきて、空気に触れてかたまります。それを採ったのが没薬です。

オマーンなどに生える乳香樹から採る乳香は乳白色ですが、没薬はメノウや琥珀のような色がついています。かつては、乳香も没薬も金と同等の値で取引されました。

これに火をつけ、お香のようにして、香りを焚きこみます。







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