2011年10月24日月曜日

植物絵


日曜日に、守屋の「ギャルリートンボ玉」に、特別展示の植物絵を見に行きました。
ヨーロッパの古い本をばらして、一枚ずつの絵として、展示販売していました。

野草が主でしたが、ヒノキ科、マメ科、ヒシなど、興味深い絵がたくさんありました。




そして、一枚だけ買ってきたのが、20.5×12.5センチのこの絵です。
1804年から1830年にかけてパリで刊行された、ジョルジュ・キュヴィェ著の『自然科学事典』の一ペイジです。点刻銅版多色刷り、一部は手彩色の絵です。

あぁ、200年も前の本なのに、Sterculia balanghaと学名が記してあるのに、今更ながら驚かされます。日本では、葛飾北斎や喜多川歌麿の活躍していた時代です。

しかし、Sterculia balanghaは、




手持ちの植物図鑑(『FOREST TREES OF NORTHERN THAILAND』)の図版では、こんな実が生っています。
私はSterculia balanghaの実物を見ていないので、はっきりしたことは言えませんが、ちょっと違うような気がします。




むしろ、Sterculia foetidaや、Sterculia pexa(写真)ではないかと思われます。花の絵もよく似ています。




この絵とは別に、『ナイル川の源流』という本からの絵で、黒の単色刷りでしたが、似たような実がありました。それも欲しかったのですが、時代がもっと古いものなのか、希少本だったのか、お値段はこの絵の五倍もして、一桁違ったので、買えませんでした。




種の絵の、単色なのにみごとなこと。
ルーペでのぞきながら、どんな目と手をしていたのか、植物学者の世界旅行や、当時の薄暗かった本工房に思いを馳せています。



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