2010年2月24日水曜日
赤い実
タイ南部、クラビの空港から友人の家への道、海岸沿いに走っているとき、この実をつけた木を見つけました。背の高い、まっすぐな木に、真っ赤な実がなっていました。
「ちょっと、車を停めて」。私が、根元に落ちていたこの実を拾ってきたら、友人が言いました。「なんだ、この木なら、我が家にもあるよ」と。
こんな特徴的な実なら、すぐに正体がわかるだろうと、タイ人に名前をたずねることもせず、帰ってきたのが間違いでした。どこをひっくり返しても、なにだかわかりません。
以前にも同じものを拾ってるのですが、タイ南部で拾ったものか、その他の地域で拾ったものかも覚えていません。
特徴的なだけに、なにものだか知りたい気がします。木に詳しいインドの友人に聞いてみることにしました。メールで写真を送って名前をたずねると、すぐに返事が来ました。「たぶん、Dipterocarpaceaeだけど、ちょっと詳しいことは待って」。
えっ、私は翼のないフタバガキ科の実を知りませんでした。
「Afzelia xylocarpaに近いのではないかと思っていたのだけれど、違うみたいで」、私は聞いてみました。「Afzelia xylocarpaではない。今、旅先だから、家に帰るまで待って」
なんてメール時代は便利なのでしょう。私がほくほくしながら待っていると、数日後、「家に帰ったけれど、とにかく疲れちゃって。もう少し待って」、というメールを最後に、全然、音沙汰がなくなってしまいました。
最初は、彼も若くはないのに、忙しそうだし、病気にでもなっちゃったのかしら、などと心配しましたが、今ではもう、返事を期待していません。彼の、宿題嫌いの性格を思い出したのです。
「○○には行ってるの?」、「いや、あそこはレポートを出さないから、もう行かない」。
「△△は?」、「あそこはassignmentがあるからだめ。ぼくはレポートを書きたくないから」。
人がレポートを出さないのは受け入れられないのに、自分はレポートを出したくないって、矛盾していません?いえいえ、人間は、矛盾した存在なのです。
というわけで、この実の名前は当分わかりそうにありません。
実が熟すと、毒々しいほど赤くなります。
しかし、それはいっときで、乾燥すると赤い色はすっかり退色してしまいます。1ヶ月以上経った今では、こんな色になっています。種は、シルバー色で、ビロードのような、すてきな肌触りです。
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2 件のコメント:
この実、Sterculia foetidaのものだと思います。
落ちてくる前は赤い色しているのは知りませんでした。
Tomokiさん
あんなに特徴的なのになんだかわからないと思っていたのに、わかって嬉しいです。
『Forest Trees of Northern Thailand』を何度もひっくり返して、載ってないと思っていましたが、ちゃんと載っていました。
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