2013年11月1日金曜日

グリーンドラム


日本でグリーンドラムと呼ばれているXerosicyos danguyi(マダガスカル原産)は、私のお気に入りです。
葉っぱが丸っこくて肉厚、成長は遅くも早くもない、そんな植物が好きなのです。

五年ほど前、まだビニールハウスの仮設小屋に住んでいたとき、ネットで初めて見つけ、当時はまだ日本に紹介されたばかりで希少で高かったのに、母屋に移るのを待ちきれないで購入したことがありました。
ところが、できる限りの手を尽くしたのですが冬の寒さには勝てず、室内であえなく凍らせて、枯らしてしまいした。
 

冬暖かくさえあれば、そう神経質になるほどの植物ではないので、母屋に移ってから、値段が下がるのを待って、小さな苗を購入しました。
我が家に来てからずいぶん成長しているので、大満足です。

グリーンドラムを見ると、ちょっと似ている姫黄金花月(Crassula ovata、南アフリカ原産、通称金の生る木)を思い出します。
1970年頃、ドイツのインテリア雑誌、『シェーネルボーネン』で、よくこの植物が部屋に飾ってあるのを目にしました。当時ドイツでは流行っていたのでしょう、小さな木のような、不思議な姿でした。

欲しくてたまりませんでしたが、どこにもありませんでした。
ところがある日、当時住んでいた東京郊外の住宅地の、我が家からそう離れていない家の庭に建つガラスの温室の中に、よく似たものを見つけたのでした。
思わず飛びこんでお話を聞いたら、息子さんが日比谷花壇にお勤めしていて、初輸入したものを、ご両親にプレゼントしてくれたとのことでした。なんという幸運、踊りたくなりました。そして、しばらく経ってから、葉差しで増やしたものをいただくことができました。

以後、鉢を増やして何年楽しんだことか。1980年頃には、住んでいたバンコクでも育てようと葉や茎を持って行き、そのつど高い湿度で枯らせてしまい、残念がっていました。
それからまた十年ほど経ってでしょうか、ケニアのナイロビで、姫黄金花月の生垣を見たときは、びっくりしました。
「普通に生えている!」

今では姫黄金花月は、日本のどんな田舎でも町でも、どんな家にでも見かける、まったくありふれた植物になってしまいました。


日本で、姫黄金花月が「かねの生る木」と呼ばれ、英語でグリーンドラムが「ドル(=かね)の蔓(dollar vine)」と呼ばれているのと、丸っこい葉が二つを結びつけて考えさせるのかもしれません。
グリーンドラムもあと二十年で、ありふれた植物になるでしょうか?


先日、猫にかじられたグリーンドラムの葉が落ちていました。バラバラになった葉は、ピースが失われてはいませんでしたので、食べていない、おいしくはないようです。

そしてまた、歯型のある葉が落ちていました。



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