いざ、海へ。
デンマークの北の方へと三泊四日の旅行に出た二日目、ウニの化石の拾えそうな海岸を目指します。
「どこだったか、どこも似ているから、よく覚えていないなぁ」
とイエンス。
なにせ、彼らはもう何年も、何十年も化石を拾いに行っていないのです。
その前日、フェリーボートでコペンハーゲンのある島から半島に渡っていました。半島の中の複雑に入り組んだフィヨルドを目指して北上していきます。
一つ、イエンスがあたりをつけた浜に行ってみたら、散歩している女性がいました。
その女性にたずねると、ウニの化石を拾うならここより別の浜と、親切に教えてくれました。
その浜です。
なんて似ているのでしょう!その前に行った浜辺と、感じがそっくりです。
ただ、最初の浜が平坦な地の先にあったのに比べて、二番目の浜は高いところから、歩いて降りて浜に到達しました。
最初の浜より石の粒は、ちょっと大きいようでした。
砂浜は波打ち際に細い線になっているだけ、あとは石の浜です。
貝殻はほとんど打ちあがっていません。藻だけです。
「石だけじゃなく、琥珀も拾えるのよ。琥珀は海藻ラインを見てね」
と、アンが言っていたので、石だけじゃなく、琥珀にも目配りします。
私は、丸い石が好きです。
たいてい、丸い石にしか目が行かないのに、このときは物珍しさもあって、自分の好みではない、丸くない石をたくさん拾ってしまいました。
でも、指の形をしたこれなんか好き。
左の二つは桂化木かと思ったりするけれど、ただの石なのでしょうね。
右の石は、指大の石が抜けたように穴が開いています。
年輪が見える気もしますが、ただの石の気もします。
こんな石も物珍しさで拾いました。
これは素敵な石たちです。
右のは、まるで白餡を入れた、食べかけのお饅頭のようです。
丸く穿たれた石と、指輪状に穴が開いた石。
石なのに、どうしてこんな形をしているのでしょう?
キャラメルみたいな石を拾って、アンに、
「琥珀ってこんな色?」
って見せたら、
「それ、ただの石よ。琥珀って軽いの。藻の上に乗っていたりするんだから」
と、にべもなく否定されました。
軽いのを見つけました。
「これは琥珀?」
「そうじゃないわよ。これは○○よ」
ああ、その時、アンが何と言ったか、忘れてしまいました。
これっていったい何?
コペンハーゲンに帰ってから、アンが拾ったという巨大な琥珀を見せてもらいました。長径が4センチ以上あるやつです。
でも、これは負け惜しみじゃなく、羨ましくなかった。普通の石の方が好きです。
この白いポチポチの並んだこの石は、ウミユリの化石の可能性があります。
また、これは「鳴る石」に近いもののようです。
旅の一日目に留まった宿の部屋の暖炉の上には、石が置いてありました。
そこにあった、右上の傘のような石、それも化石とのことでしたが、それにそっくりです。
結局、ウニの化石を見つけることができませんでしたが、私は大満足でした。
自分の好きな、丸い石やレンガも、しっかり拾いました。
夫が貝を拾っていました。
イエンスが、
「S(夫のこと)が緑色の石を拾ったというから見たら、なんだと思う?ただのガラスだよ」
と大笑いしましたが、私は、たった一つの、ごつごつしたビーチグラスに大喜びしました。デンマークの海にはゴミもないけれど、ビーチグラスもありません。
左は、ハート形の石のつもりです。ちょっと欠けているかな?
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