2015年10月9日金曜日

『BEACHCOMBING for Japanese Glass Floats』

ガラス浮きの本を、アメリカのAmazonで買ったことを書いたとき、Shigeさんから、350円では送料が安すぎるという指摘がありました。
呑気な私は、「最近は安くなったのかな」くらいに考えていましたが、やはり何かの間違いだったようでした。

その後、ビーチコーマーのバイブル的存在だという、『BEACHCOMBING for Japanese Glass Floats』(AMOS L. WOOD著、1967年)を教えていただき、買おうとしたら、送料が3ドルというわけにはいかず、本代とほぼ同じ17ドルも取られてしまいました。
しかも、前にはたった一週間で届いたのに、今度は到着まで三週間もかかってしまいました。
ま、それが当たり前と言えば、当たり前のようでした。


さて、届いた荷物の包装紙を破ってみると、中からカバーがよれよれの、くたびれた本が出てきました。


古本で、値段が最も安いもの、しかも海外発送してくれる店を選んだので文句は言えませんが、古めかしい。
その本には、「1ドル」の定価票が貼ってありました。
「あれ、17.4ドルとられたのに、実はたったの1ドルだったのか」
しかし、よく見たら値段票にはバーコードがありません。これがいまどきの値段票ではないことがわかり、背表紙に貼った、バーコードつきの17.4ドルの値段票も見つかりました。


Shigeさんは、『BEACHCOMBING for Japanese Glass Floats』には、何度も加筆されているので、再販のたびに買って、何冊も持っていると言っていました。
ところで、いつ発行されたものかと開けてみると、書き込みがありました。
「Ivan Polsonのご家族に」
と書かれた、その下の署名はAmos L.Woodと書いてあります。なんと著者自身が親しい人に送った謹呈本だったのです。
しかも、日づけは1967年7月10日、初版本でした。
著者のサイン入りの本が、50年(正確には48年)の時を越えて届くなんて、ちょっと素敵でした。

1967年といえば、ヴェトナム戦争への反対運動が盛んになってきた時代でした。また、それまで人権を認められてなかった黒人が、人権を求めて声を上げはじめたころでした。
日本の初任給は10,000円ほど、アメリカの初任給は250,000円ほど、1ドルは360円で、日本人の外貨持ち出しは500ドルまで。誰も目的なしには日本を出ることはできなかった時代で、アメリカとの間には、大きな大きな経済格差がありました。


本には写真がたくさん掲載されていますが、どれもおもしろい。とくに女性の服装には時代を感じます。
テレビドラマなどで、戦後すぐの時代にパンツをはいた女性が出てきたりしますが、それは時代考証がなされてないというもの、もんぺは別として、女性は誰もがスカートをはいていた時代でした。


私が学生時代に、伊豆の下田の漁具屋さんで買ったガラス浮きは、もともとはこのくらい密にネットが掛けてありました。
それを、何年か経って、ガラスが楽しめないからと解いて、ネットはそのうちどこかにいってしまいました。
今思うと、ネットも文化、取っておけばよかったという気持ちが去来します。ガラスが割れないようにという気持ちがあふれたネットです。


大きなガラス浮きを三つも拾った幸せなお方。もう笑顔がこぼれてしかたありません。

1960年代は、第二次世界大戦のために開発された技術が、広く生活一般に利用されるようになったこと、国家主義が隅々にまで浸透してきたことなどから、日本だけでなく、地球上すべての地域に大きな変化がおとずれた時代でした。
世界から、ノマド、非定住民がいなくなった、いられなくなったのもその時代でした。


その、60年代、プラスティック浮きに変わる前のガラス浮き制作現場には、文字通り熱気が漂っています。


わらで編んだこもで巻いた、ガラス浮き出荷の様子。


実際に漁師さんたちがガラス浮きを使っている写真もあります。


ガラス浮きの仕組みも描かれていました。


まだ、ぱらぱらと見ただけですが、ガラス浮きだけでなく、その当時の文化が伝わってくる本だと思いました。
紙の匂いなのか、印刷インクの匂いなのか、今の本にはない、昔の本独特の匂いもします。

それにしても、ビーチコーマーさんは、アメリカ西海岸にはその当時からたくさんいらしたのですね。
ちなみに、私たち一家は、1968年から70年までアメリカで暮しました。





2 件のコメント:

Shige さんのコメント...

バイブル届きましたね。いかがでしたか?昔の本はやっぱ良いでしょ!(笑)
はっきり記されてなくても、著者のオートグラフ入った本はありますね。
オレもウッドさんのオートグラフ、数冊あります。

きっと故人になり、家族がガレージセールとか古本屋に持っていったモノが流れ流れて、春さんの許に届いたのですね。

今はかなり大きくなってしまったパウエルですが、昔この本を版を替え2度求めたことがあります。しばらくして、担当者からFaxが届きました。(まだメールではなくFaxで注文していたころ)「スペシャル・ワンが入ったので、買わないか?」すぐにOKのFaxをして、2週間後に届いたのは、オートグラフつきの本と、何と2通のウッドさんからの信書入り!ビーチコーミングの情報交換をしていたようです。

さんのコメント...

Shigeさん
昔の本はいいです♪こんな懐かしい匂いがするなんて、当時は考えてもみませんでした。今の本は無臭です(笑)。
「Woodさん」と言えば、アメリカの「林さん」じゃないですか。笑っちゃいました。
Faxといえば、Faxができる前はタイプライターで印字してテレックスを使っていました。だから、コンピューターには喜んで移行して、したがってメール歴は古いのですが、ケイタイとかスマホは関係なくて、乗り遅れてしまいました(笑)。
まだ読めていませんが、ゆっくり読みます。