2016年1月12日火曜日

パラゴムの種の人形


先日、我が家の人形棚を見ていたふぢこさんから、
「お土産ものの木の実の人形を、お仲間に入れてもらえるかしら?」
と訊かれました。
ふぢこさんは、以前ブラジルで暮らしていらっしゃったことがあります。そのとき、友人知人からいただいた、パラゴムの種の人形をたくさんお持ちだそうでした。

そんなことで、ブラジルのパラゴムの種の人形たちがやってきました。


身体と頭はパラゴムの実を使っていますが、

 
「MANAUS」と書いてある堅い殻は、パラゴムの殻とは違うようです。
ブラジルだからババスヤシの殻かなとも思いましたが、違います。何だかわかりません。
髪の毛、手足、羽根飾り、それに種と種の接着には、さすがマナウス、生ゴムを使っているそうです。


マナウスは、パラゴムの原産地であるアマゾンの熱帯多雨林地域にある町です。
先住民たちが利用しているゴムを見て、植民地政府がゴムを知り、やがて世界中に輸出されるようになりました。
パラゴムの木は原生林に点々と立っていたので、ゴムを集める人は命がけでした。熱帯林に入ると、どんなに目印を残しても、どこも同じようで方向がわからなくなります。ゴムを集めに行き、道に迷って、とうとう帰ってこられなかった人たちも数多くいました。
マナウスは、ゴム景気に沸きましたが、やがてイギリス人にパラゴムの種を盗まれます。そして、英領マレーシアでパラゴムのプランテーション栽培に成功すると、天然の木からゴムの樹液をを集めていたマナウスはさびれました。

そんなマナウスに活気を取り戻すため、マナウスの飛行場をフリーポートとして開放することで、アマゾンを訪れる観光客を呼び込み、マナウスはよみがえったそうです。

ふぢこさんによると、先住民のインディヘナは森に住んでいますが、インディヘナと、アフリカから奴隷として連れてこられた黒人の混血たちが川沿いに住んでいて、その人たちがこの人形をつくっているのだそうです。








2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

おとぼけ顔がかわいい!カラフルで作りも細かくていいです。頭のホイップみたいなのが羽根飾りなのですか~?パラゴムの種って斑模様なんですね。
パラゴム栽培の歴史は知りませんでした。てっきりマレーシアのものだと。
現在低燃費タイヤ生産のため天然ゴムの需要が増えているので、東南アジア以外での天然ゴム生産が画策されていると新聞やネットで見ましたが、なんと中央アジアのロシアタンポポから天然ゴムが採れるそうです。しかもパラゴムより生産性がいいようで、もしかしたら今後はそちらが主流になるかも?!東南アジアのパラゴム危うし。

さんのコメント...

hiyocoさん
パラゴムはアマゾンではもともとは湿地にしか生えなかったようでした。タイ、マレーシアなどでは30年ほど前までは海に近いところに植えられていましたが、今では乾季の厳しい内陸にも植えられるようになっています。品種改良されたのでしょうね。
東南アジアのパラゴム栽培の一番の問題は熱帯自然林が伐られてしまうことと、パラゴム林になると自然の生き物のサイクルや気候が変わってしまうことです。熱帯林の中には樹脂が採れる木がいろいろあります。日本で「ゴムの木」として売られている木からも採れるようですが、パラゴムにかなうものは今のところないようですね。
我が家も住宅建設で土台などの高さを調節するためにときおりゴム板を使いますが、天然ゴムは合成ゴムとは比べ物にならない値段で、合成ゴムはあらゆる面で劣るのですが、お財布と相談して、泣く泣く合成ゴムにすることがあります(笑)。
ロシアタンポポはどうでしょうね?以前、熱帯林の伐採と紙の大量消費が問題になり、木ではなく草ならいいとケナフが日本でもてはやされたことがありました。ちょっと環境に留意している人は名刺に「ケナフでできています」とわざわざ印刷していましたが、実際は自然林を伐採してケナフを植える、ケナフは木に比べて丈が短いから紙が少ししかできない、数年で収量が悪くなるから、化学肥料を入れる、それでも採れなくなるからその土地を捨てて、新しい自然林を焼く。の繰り返しで、もっと悪い結果を招いていました。
タンポポは気まぐれだから、失敗しそう(笑)。