2011年11月8日火曜日
レウカデンドロン属の実たち
昨日、Tomokiさんが、種子たちの正体をすっかり教えてくださいました。
まずは、レウカデンドロン属の実からです。
手持ちの本には11種類のレウカデンドロン属の記載がありますが、上の写真のLeucadendron meridianumと、次のLeucadendron murriは、載っていませんでした。
11種類のどれもが、南アフリカ共和国南部のとても限られた地域にしか生えてなくて、中には分布図に点でしか示されていないものもありました。
Leucadendron murriです。
Leucadendron murriの記述も、本にはありませんでした。
美しいLeucadendron pubescensです。
これだけ、木の図鑑に載っていました。
分布図を見ると、ちょっと内陸に生えているのがわかります。
潅木の高さは、最大で3メートルくらい、標高70メートルから600メートルの、乾燥した砂地や、岩山の斜面に生えます。葉はやはり、90度ねじれてついています。
種は熟すとすぐに殻からはなれて、ばら撒かれます。
しかし、芽を出すのは、そのあたり一帯が草原火事によって焼き尽くされた時だけです。
南アフリカ共和国に隣接するナミビアの、ナミビア砂漠は乾燥地植物の宝庫ですが、レウカデンドロン属も、増えすぎて乾燥地で水の取り合いにならないよう、しかし決して死に絶えないように、環境に適応して上手に生きている、けなげな植物たちでした。
私は二度ほど南アフリカに行ったことがありますが、訪れたのはヨハネスブルグの黒人居留地とズールー人のホームランドだけです。
ホームランドは、アメリカ先住民の居留地とも似ていますが、違うのは、ホームランドに住む男性を、別の土地で労働力として必要としたということでしょうか。
白人が入植してきてアパルトヘイト政策のもと、黒人(先住民)は、痩せた土地、ホームランドに押し込められました。人口に対して広大な土地がありましたが、鉱山や都会で、男性を鉱夫やドアマンとして使うため、自給できるほどの広さの土地は与えず、男性が出稼ぎに行き、女性と子どもが死なない程度の小さな痩せた土地を耕して、暮らしていくという変則的な生活を強いられました。
もともと痩せた土地のうえ、誰しもが燃料として木の枝などを必要としたので、ホームランドに残っていた森林は消えうせ、草原化し、ますます痩せていきました。
そんなホームランドでは、ほとんど木らしい木を見ることもありませんでした。
りっぱな木を見たのは、「黒人居留地ばかりでなく白人居留地も見たら」と連れて行ってもらった、高級住宅地でです。
道には刈り込んでいない、見たことのないようなみごとな街路樹が立っていました。そして、ちょっと高いところからみたお屋敷はまるでうっそうとした森が続いているよう、ほとんど建物は見えませんでした。
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5 件のコメント:
春さん、昨日のコメントで左下と右下書き間違えてました。ゴメンナサイ。
ということで、今回の記事で2番目の写真がLeucadendron pubescens、3番目の写真が
Leucadendron coniferumです。
訂正よろしくお願いします。
Tomokiさん
ありがとうございます。
間違えないよう、とりあえず、上から「フリル」、「花」、「松かさ」と仮に命名します。
花は、Leucadendron pubescensで間違いないようですね。
ただ松かさをLeucadendron coniferumすると、「コーンの中に実をとどめて火事を待つ」という記述があったのが、しっくりきません。また、「翼を広げるように種を抱いている」という説明にも合わないような気がします。
ネットで見ると、Leucadendron coniferumは、「フリル」に似ている気もしますが、「フリル」も直径10ミリもあるような実を抱いていません。
ああ、こんがらがっています。
私の持っている、「やっぱり足りない本」には、種については詳しい記述がありますが、実については何も描いていません。
Tomokiさん
「松かさ」は、Leucadendron Murri(http://www.bloemschikwinkel.nl/decoratie/natuurlijke-materialen-en-droogmaterialen/leucadendron-murri-op-draad.html)に似ていませんか?
春さん、上から「フリル」「松かさ」「花」ですよね。
松かさは、春さんご指摘の通り、Leucadendron murriが正しいようですね。
ありがとうございます。
それから、レウカデンドロンって雄花と雌花があるんですね。調べ物をしていて、初めて気づきました。
Tomokiさん
ありがとうございました。ただ、Leucadendron murriは本に載っていないので、ちょっと書き換えます。
どのレウカデンドロンにも、雄と雌木があり、雄花と雌花とがあると、本には書いてあります。
実はカラフルで、ほとんど花のようなのもあるとも書いてありました。
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