2013年2月11日月曜日

ガラスの浮き玉


 
FACEBOOKを見ていたら、Shigeさんの書かれた、興味深い記事を目にしました。

ガラスの浮き玉が、海を漂って、たくさん浜に打ち寄せられ、とくに北海道など北の方に多く、日本だけでなく韓国や台湾でもガラス玉がつくられたというのは、なんとなく知っていましたが、それ以上に深くは、あまり考えたこともありませんでした。

でも、ガラス玉のつくられ方、網の掛け方でルーツもわかるし、ガラスの浮き玉がどんな漁に、どこで使われ、どんな海流に乗って流れてきたか、実はいろいろな物語を抱いて存在しているのだと知り、おもしろいなぁと思いました。

私は、大きいガラスの浮き玉は、学生時代に友人たちと伊豆に行った時、下田港の近くで買ったものしか持っていません。「北」と陽刻のあるものです。
もともと、この浮き玉は、ガラスがよく見えないほど詰んだ目で網掛けしてありました。実際に使われていたもので、綱は油がしみ込んでいましたが、ガラスがよく見えないからと、ずいぶん前に網は解いて、捨ててしまいました。
 

そのおかげで、確かにガラスは楽しめましたが、網の掛け方も美しかったので、資料的な意味から見れば、残しておけばよかったのかもしれません。


さて、これは2010年に、タイ北部、クラビ県の友人を訪ねたおり、観光ビーチのはずれの丘に建っているオープンバーの飾りつけとして、いくつもぶら下げてあった浮き玉の一つです。
大きさは一尺ほどだったでしょうか。もう少し大きかったでしょうか。下部に吹いてつくったものの印、へそが見えます。
これは綱が新しく、新たに網掛けしたものか、あるいは使われなかったもののようですが、


中には、使われたらしい網がかかっているものもありました。
なぜ、全体の写真はなくて、浮き玉だけの写真があるかといえば、網掛けするのに参考になればと、写真を撮ったものだったからです。

海岸近くには海外からの観光客も来ていて、多くの飲食店が並んでいましたが、このオープンバーの建っているところは丘の上で、足を伸ばすお客がいるとも思えず、無人でした。
そんな店ですが、いったい、どこでつくられた浮き玉を、どこで仕入れてきたものでしょうか?
まさか、わざわざ日本まで買いつけに来るなんて、とても考えられません。
タイでも、一時ガラスの浮き玉を吹いていたことがあったのでしょうか?
今浮きは、プラスティックで安くつくれて、大きさも自在、割れもせず、網掛けもしなくていい時代です。


そういえば、その無人の店には、真新しいサトウキビ絞り器もありました。
三年前よりさらに観光客が増えて、こんな辺鄙な店にも客が押し寄せているとしたら、今頃は廃棄物でビーチもめちゃくちゃになっているだろうと、余計な心配をする私でした。


6 件のコメント:

kuskus さんのコメント...

小学5年生の頃、函館に住んでいたんですが、社会科の工場見学で『浮き玉』を作っている町工場に行ったことがあります。
薄暗くて狭い工場の中で、棒の先につけたドロドロのガラスを宙吹きして、シャボン玉のように『浮き玉』を作っていた職人さんたちの姿は印象的で、今でもはっきり憶えています。
かたわらでは、吹いたガラスを型で挟んで壜を作っていました。
ちいさな工場のあとは大きな工場の見学で、明治チョコレートの近代的で清潔な、ほとんど機械だけが動いている工場で、ウォンカさんのチョコレート工場のようでした。
おみやげに一人ずつ、明治の板チョコをもらったので、
ここも深く印象に残っているのですが。

Shige さんのコメント...

北マークは青森にある北洋ガラスのものですね。時折、これを小樽の北一ガラスの製品と勘違いされるかたもみえます。

この玉はアメリカにも多数漂着しました。漢字の読めないアメリカ人はこれを天地逆に見て、Fの鏡文字、ダブルFなどと呼んでいましたね。

さんのコメント...

kuskusさん
函館だったら浮き玉工場がいっぱいあったでしょうね。見たかったなぁ。私は大学生になるまでガラス浮きを見たことがありませんでした。Shigeさんのお話では、北海道には今でも尺玉がつくれる方がいらっしゃるようです。重くて、速く回さなくては落ちてしまうし、力のいる仕事だったことでしょうね。
しかし、先生も考えましたね。社会見学のコースが反対だったら、みんなチョコばかりに気を取られていて、ガラス工場は適当に見たかも(笑)。

さんのコメント...

Shigeさん
ありがとうございます。青森でつくられたものだったのですね。ガラス浮きがアメリカに多数漂着したということは、まだ洋上を漂ったまま、どこにも流れつかないでいる、「北」マークのガラス浮きもいっぱいあるのでしょうね。ロマンです。
伊良湖焼きの話もおもしろかったです。海と暮しが密接に関係している話は、他にもいろいろあったのでしょうね。

kuskus さんのコメント...

そうですね、逆コースだったら皆にぎりしめたチョコレートに心奪われて見学どころじゃなかったですね。
おまけに、ガラス工場の熱で溶けちゃったりして(笑)。
工場で見たおじさんも、頭より大きいガラス玉を吹いていました。そういう技術が今日まで受け継がれていたなんて、
驚きでもありうれしいことでもありますね。

さんのコメント...

kuskusさん
おじさんも子どもたちの前で、気張って見せてくれたのですね。頭より大きいのって、本当に力も技も入りそうです。
ガラス材料は高温で溶かしたまま保っているのは電気代もかかるし、さりとて作りたい時だけ溶かすというわけにもいかないようで、コップなんか作るのも、今はなかなか厳しいそうです。ましてやガラス浮きは数をこなさないと採算が取れないでしょうから、いずれにしても風前の灯でしょうね。