「おばあちゃん、バッタがいるよ」
「持ってみたい?」
「みたい」
捕まえた小さなショウリョウバッタを掌に包んだはなちゃんは、鉄パイプを片づけてくれているお父さんに見せに行きます。
「危ないから、来るな!」
「だって、バッタだよ!」
イヤホーンをつけて音楽を聴きながら片づけていたお父さんが気づいて、見てくれて、バッタはやっと放免となりました。
「はなちゃん、カエルがいるよ。持ちたい?」
「.....」
カエルを捕まえて、芝生の上に置きます。
「わぁ、小さいんだ!大きくて、いぼいぼのかと思った」
そういえば、東京にはそんなカエルしか棲んでいません。
「これなら持ってみたい?」
「うん」
「掌を丸めて、ぽかってかぶせてごらん。捕まえられるから」
はなちゃんの手が小さいので、カエルがつぶされそうになったので、大きな手のおばあちゃんが捕まえて渡しました。
しばらくしたら、はなちゃんが駆けてきました。
「おばあちゃん、このくらいのバッタみたいなのががいる!」
「えぇぇ!」
はなちゃんの広げた手を見ると、20センチくらいあります。
私は雀くらいの頭のトノサマバッタを思い浮かべて、ぞっとしました。まさかね。
「バッタの形をした木の枝かなんかじゃないの?」
「動いているよ」
「.....」
見に行ったら、ナナフシでした。手足を伸ばすと、確かに20センチくらいになる、大きなナナフシでした。
「ナナフシはね。持ってみたいだろうけれど、こういうところにいたら、捕まえにくいのよ。やってみるからね」
捕まえようとすると、手足を離して、なりふり構わずどさっと落ちます。
「おばあちゃん、ナナフシが葉っぱ食べているよ」
みると、ナナフシがコナラの葉をせっせと食べていました。
はなちゃんが観察していたおかげで、ナナフシの食事風景を初めて見ることができました。
コナラの葉を食べるなら、この辺りはナナフシ天国なのが納得できます。食糧には困りません。
夜、食事の準備をしているはなちゃんのお母さんが、戸棚からコップを出そうとしていました。
「お母さん、ゴキブリがいます」
「どれどれ」
今叩かないと逃げてしまう。私は素手で叩きつぶしました。
「お母さん、すごい!」
そうそう、30年ほど前に、母から聞いた、
「叔母さん(母の叔母)はゴキブリを素手でつぶすのよ。逃がすより、あとで手を洗えばいいって」
という言葉が、今でも私の中で生きているのです。
もっとも、カマドウマは絶対に素手ではたたけませんが。
2 件のコメント:
子供と一緒に虫な一日を過ごせて楽しそう!でもそんな時期は短くてあっという間に終わってしまいますね。うわ~、ゴキブリいけます?!カマドウマはどこがダメですか?
hiyocoさん
ほんと、子どもが子どもである時期はあっという間ですが、そのあとにまた、別の楽しい時間も待っているんじゃないかな。姪の子どもなんかを見ていると、子どもと大人という関係から、大人と大人の関係に移行、あっというまに対等に話せる時代が来ます(笑)。
ゴキブリ殺法、すごいでしょう(^^♪できるようになったのは、ここに来てからかな。面の皮が厚くなりました。でもカマドウマは大っ嫌い。ばたばたして、はぁ、ため息が出るくらい苦手です。見たら、きゃぁきゃぁ言っていたのが、さすがに言わなくなりましたが、素手なんてとてもとても。どこがだめって、もう全体に嫌いです(涙)。
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