2017年11月13日月曜日

汗をかきました

しばらく前に、姪の娘のみおちゃんからメールが来ました。
「日本に一時帰国する途中、ヴェトナムに寄るけれど、おばちゃんが前に欲しがっていた籠の写真を送ってください。探してみます」
みおちゃんは、アメリカのNGOで働いていて、今はパキスタンに住んでいます。
「前に欲しがっていた籠って、どんな籠だったんだろう?」
一度、みおちゃんに欲しがっていた籠を見つけてもらったことはありましたが、ほかにも頼んだことがあったでしょうか。
しばらく考えて、思い出しました。みおちゃんにはビルマ人の友だちがいたので、もしかしたら見つかるかもしれないと、だめもとで、水汲みの籠を頼んだことがあったのでした。
早速、メールしました。 


「覚えていてくれて、ありがとう。この籠のことだったかしら?これなら、ヴェトナムにはないと思います。これは島嶼部の籠で、ヴェトナムは海に面しているけれど、文化としては大陸文化ですから」

このやり取りから数日を置かないで、ネットショップで水くみ籠を見つけました。
「どうしよう?」
形が違うものですが、偶然とはいえ水くみ籠つながり、ご縁を感じて、購入しました。


石垣島のクバ(ビロウ)の水くみ籠です。
予想通りだったとはいえ、形がなかなか好きになれません。


せめて、左右対称だったらいいのですが、歪んでいます。(歪んでいる理由は、あとから嫌というほど思い知るのですが)。
迷った末、ビロウの葉を素材として手に入れたと思って、つくり直すことにしました。


水汲みを、お風呂(水風呂)に浸けて、中に重石を置いて柔らかくします。


水の中で分解開始です。持ち手に巻いてあった葉を取り除きます。


持ち手を分解してみたら、片方は、葉柄がついたままでした。
もう一方は、裂いた葉先が、まだ青いうちにつくったのか、まるで糊で固めたようにしっかりと固まっていました。 それを、はがしていきます。


バラバラ作業の終わりです。
 

水からあげてから、硬い葉柄を切り落としました。
退路が断たれました。


いやはや、葉柄を切り落としても、つけ根の方は硬くて、曲げるどころではありません。
反対に、葉先の方は柔らかすぎて、なかなか形になりません。


仮に束ねてみても、葉先の方は裂いてあるし、つけ根の方は曲がらない、四苦八苦です。


つけ根の方と葉先の方を同じ長さに束ねて持ち手をつくるため、束ねる場所を決めます。
葉先は裂いてあるので、その部分を切ってもと思っていましたが、それでは小さくなりすぎて形になりません。
なに、実際に水をくむわけじゃないからと、言い訳しながら、思い切って動かしました。


なんとか、まとまりました。


しかし、きったない!


つけ根はつっぱり、葉先はくたくたなので、形は歪んでいます。
それを箱に入れ、角にすりこ木や火吹き竹を差し込んで、成形しました。


タイのものとは、似て非なる(似ないで非なる)ものができました。
いやはや、できたものを見て、
「これはきれい、これはきれいじゃない」
と言うのは簡単ですが、自分がきれいなものをつくるのは、容易なことではありません。

 
縁に張りがありませんが、葉がくたくただし、手前の葉柄のついていた方はつっぱっているし、反対側は柔らかくて、どうしようもありません。
お粗末さまでございました。






2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

ビロウの葉は水汲みが作れるほど大きいんですね。柄に近い方は葉が繋がっているのは棕櫚と同じですね。
四苦八苦しつつも写真を撮っている春さんが可笑しい!見るのとやるのは大違いなんですね。

さんのコメント...

hiyocoさん
葉先の方も、もう少しつながっていたんじゃないかと推測します。
「こんなもの買っちゃったなぁ」と後悔していたので必死でした(笑)。だからってできたものに、全然満足できませんでしたが。
私やっぱり、手先が器用じゃないんです(笑)。手際も悪いし、こうなったら、いつか石垣島に行って、緑のビロウでリベンジしたいです(笑)。って、いよいよ、お金と時間の無駄になりそうですが(爆)。