2010年4月9日金曜日

ご褒美は縄文土器



このところ、昼間は頭を使わずに、のほほんと過ごしているのに、いざ眠ろうとすると、目も頭も冴えて、なかなか眠れない日があります。昨夜も、「昨年は4月7日に苗代をつくったのに、今年はまだだった」と、突然思い出し、しばらくは、どうしようかと、お布団の中で考えてしまいました。
天候が不順で、日照も暖かさもあまり期待できませんが、土曜、日曜は来客もあり、来週ではちょっと遅いような気がします。となると、金曜日、今日しかありません。

午前中は別の仕事をして、午後、「石をもらいに行こうか?それとも苗代をつくろうか?」と、夫がたずねます。「もちろん苗代よ。石にはタイミングがないんだから」と、私が答えます。

杉林になっている斜面から、夫が山土を運んできて、私がその土を苗箱にふるい入れます。
「おれ、やっぱり石をもらってくるわ。もう力仕事はないし」。「ええっ。今日中に種蒔きを終わらせたいから、これをすませてから行ってよ」。「Sさんに、今週行くって言ったから」。




夫は、こういう単調な、しかし細かい仕事が好きじゃないのです。おかげで、労働力が半減しました。
土を苗箱に入れたら、種をまき、その上にまた土を被せ、切りわらを敷いて、鳥除けのネットも張らなくてはなりません。
やっと土を入れ終わりました。




蒔くのは、コシヒカリと、




赤米です。種籾は、足踏み脱穀機を使わないで、手で種をわらからはずして、数日間、流水に浸しておいたものです。




種籾は、重ならないように、密にならないように、蒔きます。
昨年は苗が足りなくなり、よそでもらってきてやっと間に合わせたので、今年は苗箱を5箱増やしました。もっとも、一昨年は、昨年と同じだけ苗を作ったのに余って、足りなくなった友人にわけてあげました。同じようにやっているつもりですが、毎年少しずつ違います。

田んぼを5畝しかつくってない我が家では、1本植えにすると、苗は3,000余本で足りる計算です。しかし、苗の生育が悪かったりして、2本植え、3本植えにすると、苗数は二倍、三倍と必要になります。自然相手ですから、毎年苗の出来具合も違います。いずれにしろ、苗が多すぎるのは少なすぎるより、ずっと安心です。

一人で作業をしていると、なかなかはかどりません。日は暮れてくるし、だんだん焦ってきました。夫がいないだけでなく、犬どもが、放し犬がからかいにくるたびに、植えたばかりの種箱を踏んで走っていきます。これでは、鳥除けではなくて、犬除けのためにも、今日中になんとかネットを張らなくては、安心して眠れません。




5時過ぎに、やっと夫が帰ってきました。労働力倍増は大きく、今日はあきらめようと思っていた切りわら敷きも、なんとかできました。




そして、今日の労働のご褒美は、ふるっていた土の中から出てきた、縄文土器でした。
作業の途中、夫がいなくてよかった。夫だったら、きっと石だと思って、捨ててしまったことでしょう。

2 件のコメント:

toki-sapp さんのコメント...

なんて素敵な拾い物!
春さんに見つけてもらう運命にあったのでしょうね。

縄文土器、私も小学校の社会科実習で拾いに行ったことがあります。
やっぱり畑の中の遺跡でした。
運がいいと、黒曜(耀?)石でできた見本のような矢じりを拾っている子もいました。縄文時代に矢じりを使っていたかどうかは疑問がありますが、ナイフとして使っていたのかもしれません。

土器のかけらは、実家で庭に放置され苔むしていますが、そのときこっそり二つだけ拾うことができた黒曜石のかけら(矢じりの形ではないけれど、人が削ったような跡はある)は手元にあります。

さんのコメント...

身近なところに、時を重ねてきたものたちが、ひっそりと息を潜めているのって、神秘的ですよね。
このあたり、山はなだらかで、そのわりに水も豊富なので、昔の人々が住みやすいところだったのかなあと思います。

私も、小学生のとき、縄文土器を掘りに行ったことがあります。でも、そのときは、なんにも見つかりませんでした。