2011年9月29日木曜日

シナアブラギリ・アブラギリ



Shigeさんのブログをのぞくまで、シナアブラギリ、アブラギリの存在を知りませんでした。
昔は、このシナアブラギリやアブラギリの実からとった油を、灯明に使ったり、和紙に染み込ませて油紙にして、雨合羽や傘にしたそうです。
イザベラ・バードの『日本紀行』にも、荷物を油紙で包んで馬に乗せて運んでいる様子が、記されています。

小学生のころ、「置き傘」というのがありました。
「こうもり傘」と呼ばれていた布の傘も、ちらほら普及しはじめていましたが、にわか雨に備えて、教室の高いところに、生徒の人数分、名前を書いてつるして、常備していたのは番傘でした。

雨が降りそうな日は、あらかじめ傘を持って登校しますから、めったに置き傘は使いませんでしたが、にわか雨が降ったとき、脚立に乗って、置き傘が次々と降ろされました。

番傘を開くと、ぷーんと油の匂いがします。下駄箱のあたりがその匂いで満ちることもありました。
懐かしい匂いです。




アブラギリの実を、あまりうらやましがるので、Shigeさんが浜で拾ったものを送ってくださいました。
種にしわしわがあるのがシナアブラギリ、愛知県田原市の伊良湖岬で拾われたものです。
渥美半島の伊良湖岬はとても美しい浜、いつか是非行ってみたいところです。




エボシガイが付着した種もあり、漂流の長さを物語っていましたが、残念ながら取れてしまいました。
シナアブラギリの実は、直径20ミリ、厚み12ミリくらいです。




こちらは、日本海側に漂着するアブラギリです。福井県美浜町で拾われたものです。
福井県はかつて、アブラギリの一大産地だったそうです。

アブラギリの実は長径が10ミリくらいでしょうか。
どのくらいの時間漂着していたものかわかりませんが、意外に軽いのでびっくりしました。油をとるということなので、ヒマやオリーブなどのように、もっと重いものを想像していました。もっとも、重いと漂流しません。




実は、三つに分かれて、三つの種が入っているようですが、送っていただいた中にひとつに、四つに分かれているものがありました。

シナアブラギリの花アブラギリの花も、なかなかきれいです。いつかどこかで花や実を見てみたいものです。



2 件のコメント:

Shige さんのコメント...

福井でアブラギリから搾油しているというリンク、全く知りませんでした。
灯台もと暗し・・・ですね。(笑)

さんのコメント...

Shigeさん
仕事で種を集めて、搾油するのはつらいでしょうけれど、趣味となると楽しいでしょうね。
植林を進めている人たちもいるようですから、もっとアブラギリの漂着が増えるかも(笑)しれません。
種、ありがとうございました。