2011年12月26日月曜日
キササゲ
家の近くの農家の果樹が植えてある場所で、キササゲ(Catalpa ovata)を見つけました。
Shigeさんのブログを見ていなかったら、見過ごすところでした。
今、植物のこと、教えてくれる「隣人」はいませんが、「離れている人たち」に教えられるのは、ネット社会だからこそのことです。
タイにかかわっていたころは、植物を知るのによい「隣人」がいました。何でも教えてくれました。
1976年、政府に容認された右翼集団の弾圧を恐れた学生運動家たちは、共産党に合流して森に入り、地下運動に転じました。半ばで森から出てきた人たちもいましたが、多くは1981年に、不問にするので出てくるようにとの政府の呼びかけがあるまで、五年間森で暮らしました。数千人だったと記憶しています。
タイはよい国です。出てきた青年たちは、学者、芸術家、政治家などとして社会復帰しました。とくにNGOに参加したり、設立したりして、底辺の人々のために働いた人が多数いました。
私の「隣人」である元同僚は、そんな一人でした。しかも、森に潜んでいるとき、食料調達係りだったので、何が食べられて、何が食べられないか、死活問題として知る必要があったそうでした。
彼と森へ行くと、植物を見ては、
「キン・ダイ(食べられる)」
あるいは、
「キン・メダイ(食べられる)」
と、いつまでもつぶやき続けていました。
また、農村の「ただの人」もよき師でした。
薬草や薬木を集めてサウナをしたとき、近隣で採集した薬草・薬木は100種を超えました。
サウナの気持ちよかったこと。
サロンを巻いて、みんなでサウナ小屋に入り、下から薬草・薬木だけでいぶします。そして、暑さに耐え切れなくて外に出ると、熱い薬草茶が待っていました。
話が逸れました。
キササゲの実はすっかり乾燥して、微風に揺れていました。
もとは畑だったらしい、屋敷の前の空き地に生えていました。植えたものではなさそうですが、どこから種が飛んできたのでしょうか。
その家の裏はもう山です。
キササゲは中国原産ですが、中国では庭に植えたりしている木を除いて、野山に生えているものはほとんどなくなり、反対に日本では栽培していたものが野生化しているとか、日本の気候にあっているようです。
朝起きてみたら、置いておいた椅子の上から床に落ちて、種子が散乱していました。
種は飛ぶだけではなく、人の衣服や、動物について運ばれる可能性もありそうです。
散乱していた種を、菓子鉢に収容しましたが、
「フィルムの空き容器があれば、入れるのにぴったりだけど」
と、空き容器が溢れていた日々を、懐かしく思い出しました。
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2 件のコメント:
キササゲ、たわわに実っていますね。日本の風土と相性がよいのか、こっちでも、いっぱいです。最初は中に豆が入っているのでは・・・と思いましたが、がっかりした覚えが。(笑)
Shigeさん
おかげで見つかりました。
豆で、しかも食べられたらと思うのは、欲張り(笑)です。
身近にいろいろあるものです。
ついでに、以前見たウバユリの種ができていないかと、林の中に入ってみましたが、今年は咲かなかったようです。
ありがとうございました。
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