しばらく前、整体師のKさんが、
「道端に紫色のギボウシのような花が咲いているんだけれど、葉がないんだよね。何だろう?」
と言います。
「えっ、葉がない?茎はしなっていた?」
「まっすぐだった」
「何だろう?」
聞いた場所に行ってみると、用水路の上にまっすぐ伸びているのは、まぎれもなくギボウシの花でした。
生えている根元の方を見ると、あるある、小さいけれどギボウシの葉が見えました。
「やっぱりギボウシだ」
Kさんは一本だけと言いましたが、見まわすと、草にまぎれてもう一本生えていました。
それっきりその話を忘れていて、久しぶりにKさんに会いました。
「あれは、コバギボウシだって」
とKさん。
「そうだったんだ」
『日本の野草』を見ると、日当たりのいい湿地に生えるコバギボウシ、山中の岩上や樹上に生えるイワギボウシ、日本海側の山地に生えるトウギボウシ、そして山の草原や丘陵地に生えるオオバギボウシが載っていました。
すると、山に生えている、もっともよく目にするギボウシは、栽培種とは葉の大きさも数もずいぶん違うけど、オオバギボウシなのでしょうか?
同種なのが不思議なくらい違います。
それにしてもコバギボウシは、色が濃い紫で美しいし、なにより、茎がでれっとしならないのが素敵です。
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