2012年7月8日日曜日

ドクダミ


メモ帳がいっぱいになって、新しい(といっても、ずいぶん古くなった)メモ帳を使いはじめました。
以前、タイで雑誌の編集長をしている友人からもらったものです。
表紙には、「在来の野菜(というより、野草のようなものかなぁ)」と書いてあり、メモ用紙に何種類かのイラストが描かれています。


熱帯らしい植物がいろいろ描かれていますが、ぱらぱらとめくっていたら、ドクダミ(カオ・トーン、Houttuynia cordata)の絵がありました。


そういえば、ヴェトナムにはドクダミがあること、ドクダミに姿は似ていないけれど、ドクダミそっくりの味と匂いを持つ植物もあることも知っていますが、長いつき合いのタイでは、これまでドクダミを一度も目にしたことがありませんでした。


『PLANTS FROM THE MARKET OF THAILAND』(タイの市場で売られている植物、CHRISTIANE JACQUAT著、1990年)を見ると、それにもドクダミガ載っていて、北部、東北部の湿った場所に自生したり、植えられたりしていると書いてあります。

生のまま、ナムプリック(トウガラシとナムプラー(ニンニクも)混ぜたたれ)につけて食べるとも書いてあります。
タイの農家では、おかずがあっても、食事のたびに数種類の野草を摘んできて、ナムプリックにつけて食べます。野草は多岐にわたっていて、食事ごとに種類を違え、癖になると待ち遠しいおいしさです。

ちなみに、ヴェトナムでドクダミは、やはり生でフォー(米の麺)に乗せたり、ゴイクン(生春巻)と一緒に食べたりします。


そうか、ドクダミはどこにでも生えると思っていたのに、湿ったところが好きだったのか。
でも、日本では湿った田んぼなどでは見かけません。田んぼは湿り過ぎなのでしょうか?


『熱帯の雑草』(AICAF(国際農林業協会)、1993年)という本があります。
雑草好きには興味深い本ですが、出版の目的は、雑草を愛でるためではなく、防除する対象である雑草と、それに効く除草剤を記述することにあったようで、説明には必ず除草剤名が記載されています。
農薬援助(実際は新製品が発売されて余った除草剤の消化)とセットで出版されたものかもしれません。

その『熱帯の雑草』を見ると、ドクダミは載っていません。
熱帯では、ドクダミは駆除の対象となるほどには蔓延らないようです。


それに比べると、我が家の庭は、もうドクダミの天国です。
土を掘り起こして、丁寧に根まで取り除いたところからも、何ごともなかったように、次々と芽が出ています。
年々広がる、ドクダミ・ワールド。
「今年は全部お茶にしてやる!」
と意気込んでいた日々は遠く、ただただ負けている、今日この頃です。


2 件のコメント:

Shige さんのコメント...

どくだみ、タイ料理ならスパイスになりそうですね。
日本のお店にあるビーフンのスープみたいなヤツ、一度買いましたが、口がひん曲がってしまい、全く食べられませんでした。(笑)

さんのコメント...

Shigeさん
もしかして、辛いもの苦手ですか?あれは慣れですね。そのうち、感覚が麻痺します。
タイ人に桃屋のビンくらいの大きさの唐辛子粉を、「どのくらいで使いきる?」と聞かれて、「さあ、1年かな?」といったらびっくりされたことがあります。彼らは10日持たないって(笑)。
ドクダミは生の野草を食べない文化の人はあまり食べないってことでしょうね。