2010年1月24日日曜日

はじける莢



今回の旅で、旅程の半分を過ごしたタイ南部の友人宅は、全体に高床になっていて、屋根のない居間の役割をしているテラスを中心に、台所+食堂棟(右)、寝室棟(手前)、書斎棟(奥)が配置されていました。
ほとんどの時間をこのテラスを過ごすので、テラス一部には、屋根つきの東屋もしつらえてありました。

ここに座っていると、ときどき「パキーン」というような、大きな音を立てて、ちょうどこの写真の屋根のあいだに見えている緑のあたりで、なにかがはじけていました。




なんだろうと思って見に行ったら、この豆でした。名前はわかりませんが、蔓の豆です。

日本でも、森や林では、よじ登るフジ、アケビ、クズなどの蔓で、立ち木がぐるぐるまきにされ、絞めつけられ、やがては枯れますが、熱帯でも蔓はたいへんのさばっています。しかも、熱帯では、枝の途中に根を下ろす宿木も、数と種類がたくさんありますし、「絞め殺しの木」と呼ばれるクワ科の木もいっぱいあるので、ほんとうに、どの木もうかうかしていられません。
この蔓は、あまりのさばっているので、友人が数日前に切った蔓です。しかし、木の高いところにもちゃっかり根を下ろしているので、全部が枯れたわけではなさそうでした。

豆には失礼ですが、小さな、平べったい、見栄えのしないやつでした。モダマだったりしたら、私が泣いて喜んだでしょうに...。




絞め殺しの木はこんな木です。これは、プノンペンの街路樹、タマリンド(Tamarindus indica Linn.)にインドボダイジュ(Ficus religiosa Linn.)が取りついているところです。もうタマリンドの幹はみえなくなっているので、そうとうやばいのですが、相手は仏教の聖なる木で、仏教徒の人は絶対切りませんから、なんともならないのです。
王宮の横の街路樹は、ほとんどがこれにとりつかれていました。インドボダイジュなど、クワ科の実(いわゆるイチジク)はおいしいので、鳥の大好物、どこにでも糞をするので、どこにでも生えてきます。

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