横浜でタイ料理屋をやっているIさん親子が遊びに来ました。Iさんは日本の方、お連れ合いとお嬢さんはタイの方です。
なんと、お土産はソムタム・プーパラー(カニの塩漬け入り、青いパパイヤサラダ)、ガイヤング(タイ風焼き鳥)、ケーンキヤオワーン(グリーンカレー)でした。
夕方までいらっしゃいましたが、いただいたお料理をお出ししたので、私は何もつくらず、らくちんに過ごしました。
タイ人は生の沢蟹の塩漬けの入ったソムタム・プーパラーが大好きですが、外国人はちょっと二の足を踏みます。というのは、生の沢蟹にはよく肺吸虫がいて、それが肺に巣くうと命取りになるからです。というわけで、タイ人と食卓を囲むときも、干しエビの入った、ソムタム・タイを別に頼んだりします。
タイ人に、親切心で、
「ソムタム・プーパラーはあまり食べない方がいいよ」
とでも言おうものなら、
「死ぬのが怖くて食べるのをやめるなんて、タイ人には絶対できないね」
と、肩をそびやかされて、啖呵をきられるのが落ちです。
さて、Iさんはどんなカニを使っているのでしょう?
ソムタムの中のカニは、すり鉢(クロック)に入れられて、思いっきり叩かれていたので、ほとんどバラバラになっていましたが、中に形をとどめているものがありました。
千葉の海岸でとれたカニだと聞きましたが、調べて見たら、ショウジンガニでした。
タイ人は沢蟹の殻もバリバリと食べますが、ショウジンガニは殻まで食べるのはちょっと固くて、かみ砕けません。
海のカニだから肺吸虫がいるとは思えませんが、ガリっと噛んでちゅうちゅう吸うのは、ちょっと遠慮してしまいました。
ところで、ショウジンガニは、みそ汁に入れると、とてもいい出汁が出て、おいしいそうです。