鼻歌交じりで大工仕事をしていて、ふと頭に手をやったら、ゴミがついていました。
「あれっ」
木の枝がどこでついたんだろう、取ろうとしたら暴れます。ナナフシでした。
今年は、ナナフシの当たり年かしら、出逢い過ぎです。
作業台のわきに落ちているので、
「踏まないようにしなくちゃね」
と思いながら、すぐに、ナナフシがいたことも忘れて、作業していました。
トラが来て、近くでまったりしているときも、ナナフシのことは忘れてしまっていました。
しばらくして、テーブルソーで、板を半分に割っていたら、何かが頭から目の前へと下りてきました。
先ほどのナナフシです。
「やめろよ!」
テーブルソーのスイッチを留めて、ナナフシを引きはがそうとするのですが、敵もしっかりしがみつきます。やっとの思いで払い落としました。
あまりしつこいので、ぎゃぁぎゃぁ言ってしまいましたが、ナナフシは知らん顔です。
テーブルソーは、気を緩めると怪我につながる危険な工具です。いつも使うときは、安全を確認して気を引き締めて向かってますが、よりによってそんな時に、顔に降りてくるとは.....。
それから、小一時間たっても、ナナフシは払い落としたところにいます。
見かねた夫が、叢に返してやって、やっとナナフシ騒動は終わりました。
ナナフシに好かれる匂いでもついていたのでしょうか?
脚にも、背中にも気配を感じなかったのに、いきなり頭の上に現れるとはどういうことだったのか、なんとも合点がいきません。