ここに越してきた18年前、我が家の敷地は、10年以上放置されていた荒蕪地でした。篠竹が生い茂り、その上を葛がのたうち回って、足を踏み入れるのも難しいほど、入り口に立っても、今はよく見えている山さえ見えませんでした。
毎日篠竹を刈り、驚くほどたくさんの葛の根を掘り起こし、それを何年か続けていたら、だんだん生える草の種類が変わり、人が住む土地の様相を呈してきました。
その我が家の西側の土地は、もっと傾斜が激しくなっていて、もっと手のつけにくい状態でした。戦中戦後は畑として使われたものの、30年以上も放置されて、ただのでこぼこした葛が原でした。
放っておけば、葛も篠竹も、草を刈っている我が家に容赦なく侵入してくるので、他人の土地ではあるけれど、毎年少しずつ開拓していきました。その景色を眺めるのは私たちなのだから、荒れた土地を目にするより、きれいな土地を目にする方がずっと気持ちいいという想いもありました。
そうやって刈ると、葛やフジの下から、コウゾ、ミズキ、センダン、マユミ、ヤブデマリ、ケヤキ、キリなど出てきました。こんなにコウゾがあるのは紙を漉けという天の声?と思ったりもしましたが、コウゾも全部切ってしまいました(まだいっぱい残っているけれど)。すると、邪魔ものを取り除かれた木たちは、一気に息を吹き返して、びっくりするほど大きく育ってしまいました。大きく育ちすぎたキリは、台風で2本とも勝手に倒れてしまいましたが。
手前のまだ葉が十分出ていないのはセンダン、その奥の陽が当たっているのはミズキです。
ミズキはあと2本ありました。
見事に真っ白な花を咲かせて楽しませてくれていましたが、瞬く間に大木に育ち、眺望を邪魔していると、夫に切られてしまいました。確かに、思いっきり視界を遮るようになったのです。
今残っているミズキは、下草を刈ったあとも木と木の間に生えていて、光を求めて上へ上へと伸びた木なので、花は上の方だけに咲いています。
ヤブデマリは元気ですが、その右のマユミは、毎年虫に丸裸にされるのでほとんどの枝を切ってしまいました。それにも負けず、今力強く再生しているところです。
またその手前のナンキンハゼは私が植えたもの(他人の土地ですが)、ずいぶん大きくなりましたが、今年も花はつけないつもりでしょうか?
まだ葉っぱはこんな感じです。
ヤブデマリは毎年元気、今が盛りです。
先週あたり、ウワミズザクラがきれいだったのに、写真を撮る前に散ってしまいました。
ホオは数日前の写真。
ヤマボウシも数日前の写真。どちらもいまはもっと花が目立っています。
これはなんだっぺ?
我が家の坂道を降りたところ、公道のわきは、いつだったか市がよこした人たちに、すっかりきれいに刈られて、ウワミズザクラ、アケビ、マルバウツギ、フジ、モミジイチゴなどは姿を消してしまいました。
この木だけ我が家寄りだったので伐られず、何とか生き残っています。
卯の花でもないしなぁ。