2014年12月31日水曜日
センダンの実
暮れも押し詰まり、とうとう、センダンの実がほぼ落ち終わりました。
この一週間、ヒヨドリたちは「センダン祭り」に興じました。センダンの枝から枝へがやがやと飛び回って、実を食べまくったのです。
センダンの木の下に、外した型枠を片づけていると、実を食べて種だけになったものと、実のままのものが落ちています。
よく種は、「小鳥のお腹を通過して発芽する」などと言いますが、それは小さな種なのでしょう。
種が見えても糞は見えませんから、ヒヨドリたちはセンダンの果肉だけついばんだようです。
数日は、落ちた種もついばみに来るかな?
地上に群がっているのを見かけた年もありますが、今年は木の上でしか見ていません。
2014年12月30日火曜日
土師器(はじき)
Oくんの家の、ストーブの脇に壺が置いてありました。
畑でごぼうを掘っていたら、掘りあてたものだそうです。
ごぼうは、地中深く根を下ろします。そのため、かつてはごぼうを掘り上げるのはたいへんな作業でした。ごぼうの脇に1メートルくらいの深い溝を掘り、そこから崩していきました。
今では、トラクターを持っている人は、ごぼう掘りのアタッチメントを装着して、地中のごぼうの下に刃を入れて、折らないで掘り上げることができます。
Oくんはごぼうをユンボで掘っていました。
すると、
「がらがらっ」
と異常な音がしたので見ると、地中に、素焼の壺などがかたまって埋まっていたそうです。
「ごぼうを掘らなくちゃならないし、一つ一つ取り出す暇がなかったので、欠けが少なかったこれだけ拾って来た」
とのことでした。
もしかして、そのごぼう畑のあたりには、昔の窯場でもあったのでしょうか。
陶器は丸いからと言って、必ずしも轆轤(ろくろ)を使ってつくたものとは限りませんが、この壺は轆轤で挽いてあるようです。
轆轤の技術は古墳時代に、轆轤を使ってつくった須恵器(すえき)とともに、大陸からもたらされました。
須恵器は、窖窯(あながま)を使うことによって、焼成温度を1100度以上に上げることができ、還元焔焼成するため、硬くて丈夫な土器をつくることができました。
それに対して、もっと低い温度、800度から900度で焼成されたものを土師器(はじき)と呼びます。須恵器に比べると脆く、下に見られてきました。
土師器も、須恵器同様、平安時代まで盛んにつくられました。
その後は、釉薬をかけた陶磁器に押されて廃れていきましたが、「ほうろく」のように、今でもつくられている土師器もあります。
さて、あっちからもこっちからも、古代の石器や土器がざくざくと出てくる八郷は面白いところです。
日本の典型的な農山村は、山が迫っている急峻な土地にほんのわずかに開いた田んぼと畑があるものです。また、大平野は、近代になって大きな治水工事をして、やっと得られたものです。
しかし、大きな盆地である八郷には、水にも恵まれた広い耕地がその昔から悠々と広がり、その一部に、衣生活のための麻や綿を植えても、食生活を脅かすことがないほど、人々を十分養うことができました。山に囲まれているために、古来から自然災害をほとんど受けず、また地形から戦場になったことがなかったのも、八郷の豊かさを保ちました。
薪や生活に必要な木を得るための入り合い林のあるなしは、近代まで人々の死活問題でしたが、それも十分あり、山の一部を、屋根材のための萱場にすることもできました。
昔も今も豊かな土地の八郷。
そんな八郷で、かつてどんな生活が繰り広げられていたのでしょう?
Oくんの家の庭にしつらえた、露天五右衛門風呂です。
もちろん、室内にお風呂があるのですが、遊び心いっぱい。赤ちゃんと一緒に楽しんでいるのに違いありません。
昔の人たちも、形は違っても、同じような楽しい生活をしていたのでしょう。
2014年12月29日月曜日
2014年12月27日土曜日
見つけたぞ!
八郷にある骨董カフェ、リムトで、小さなビンを見つけました。
さあ、のらさんにいただいた沖縄諸島の砂のどれを入れましょう?
一番多かった与那国の比川浜の砂を入れてみましたが、入りきりません。
やり直しです。
他の三つはどれも同じくらいの量ですが、与那国ツア浜の砂には大粒の貝やサンゴが入っていて、このビンの口の大きさでは入りそうもありません。
細かな石垣島の平野浜の砂を入れてみました。
どれも星の砂にはなっていませんが、サンゴと貝殻の混じったものでしょうか?
というわけで、平野浜の砂がまず、窓辺の一員になりました。
100円ショップとはいかなかったけれど、このビンは300円、前から知っていたのに初めて行ったリムトさんは、なかなか良心的なお店でした。
2014年12月26日金曜日
ハナツクバネウツギ
昨日はちょっと働きすぎました。特に夫は型枠外しの力仕事でした。
「週末は混むし、今日温泉に行くか?」
イノシシに切られたロープをつなぎ直していたら、夫が誘います。
「そうしようか」
というわけで、久しぶりに温泉に行きました。家から車で20分くらいのところにあります。
お風呂屋さんではないので、シンプルなものですが、室内風呂のジャグジーで温まって、露天風呂に入り、サウナで汗をかいて源泉の水で身体を冷やすのを数回繰り返して、後は汗をかいた髪など洗った後に、もう一度露天風呂でのんびりして、最後に冷たい源泉に入って、そのままシャワーをしないで出てくると言うのが、私のコースです。
露天風呂には、ハナツクバネウツギの垣根があります。
いまごろ、つくばねができていないかしらとのぞき込んでみるとありました。
これから飛んで行くのかな?まだまだしっかりくっついています。
ハナツクバネウツギ(スイカズラ科、Abelia grandiflora)は中国原産の交配種で、大正時代に日本に渡ってきました。
花冠は筒状の鐘形で先は5裂しています。萼は5裂したプロペラ状ということになっていますが、
一枝いただいてきただけでしたが、4裂のものがたくさんあり、中には3裂のものも複数ありました。花の先はたぶんどれも5裂だろうから、いったいどうなっているんでしょう?
もっと枝をいただいてくれば、4裂や3裂もよくあるのかどうか、わかったでしょうか。
2014年12月25日木曜日
センボンヤリ
ブログを通してお友だちになったしまとかげさんから、お便りが届きました。
中に種が入っていました。
飛ぶ種です。
しまとかげさんは、これが何かご存じではないのですが、花が咲かずに夏にいきなりたんぽぽの綿毛のようになるものだ、と書いてありました。
このような種は、だいたいはキク科の植物でしょうか。
『日本植物種子図鑑』で調べてみました。
種の形と大きさからすると、右上から三番目のタカサゴソウが、一番よく似ています。左の上から二番目のブタナの種も似ていますが、小さいので問題外です。
けれど、タカサゴソウは、白い野菊のような花を咲かせます。我が家の近くにも咲いていますが、その花をしまとかげさんが見逃すはずがありません。
とすると、種の形は少し違うのですが、左上から三番目のセンボンヤリでしょうか。
センボンヤリ(Leibnitzia anandria)は、春と秋に二度開花し、秋の花は閉鎖花だそうです。
閉鎖花とは、花が開かず、蕾の内部で、雌しべが自分の花の花粉を受けて種をつくるものです。センボンヤリは、閉じた総苞の中で小花が開き受粉するので、厳密には少し違うのですが、外側から花は見えず、やはりも閉鎖花と呼ばれています。
また、春先の花は、まだ葉も出切らないうちに咲くもので、見落とすことは十分考えられます。
これがいただいた種。
そして、これが図鑑に載っていた種。
少し形状が違いますが、花の咲き方、実の生り方だと、ぴったり合います。
もう、蒔いておいてもいいとのこと、しまとかげさんありがとうございました。
ありがとうを込めて、しまとかげさんが好きだと言う、トラとうなぎ昨日の姿の写真を贈ります。
2014年12月24日水曜日
2014年12月22日月曜日
冬至のカシワ
カシワの葉っぱは、芽吹いた直後以外は、煤けたり、虫が喰ったり、けっこう汚らしいものです。
そんな中にあってこのカシワの木は、いつもコテンパンに切られてしまうからか、一年中優しい色の新しい葉っぱをつけていて、目を和ませてくれます。
その葉っぱが、冬至の傾いた陽ざしを通して、素敵に染まっていました。
古来カシワは命をつなぐと、葉が落ちないことを愛でられていたようです。
ところが、どこのカシワの木の葉を見ても、まるでぼろ雑巾をぶら下げたよう、昔の人の感覚を疑ってしまいそうになりますが、こんな葉っぱだったら、とても好きになりそうです。
2014年12月20日土曜日
2014年12月18日木曜日
マカデミアナッツ
毎年この時期に開かれる、小田島久則さんの展覧会では、いろいろな木の実なども飾られていて、興味津々です。
「この大きなはかまのどんぐりはどこにあるの?」
「それが、持って来たんだけど、ここでなくなっちゃった」
「わぁ。見たかったなぁ」
試しにクヌギのドングrを入れてみましたが、ぶっかぶかです。
なんて大きなどんぐりなのでしょう!
さて、この木の枝は、目があります。
つけた目じゃありません。もとからの目です。
う~ん。
「この実はなあに?」
見たことのない実がありました。
「ハワイで拾ったマカデミアナッツ。割ってみようか?」
「いい、いい」
「拾ったときはすぐ割れたんだけど。もう固くなっちゃって。中にもう一つ固い殻があって、その中にナッツがあるから。四つ持って来て、二つもう割ったんだけど、食べられたよ。家で割って食べてみて」
というわけで、一ついただいてきました。
さて、割ったものかどうしたものか迷っています。食べたいのではなく、中の固い殻というのを見てみたい気がするからです。
たぶん、割らないでしょうね。
2014年12月17日水曜日
カシパン
のらさんに、割れていないハスノハカシパンを送っていただいたので、南房総に行ったときにいただいた、欠けたカシパンを整理しようと取り出してみました。
あれっ、スカシカシパンがあります。
スカシカシパンは大きいねぇ。
この亀の甲のような模様のカシパンは誰?
裏はもっときれな浮き彫りです。
大きそうだから、やはり、スカシカシパンかな?
小さいカシパンたち、どれも裏に蓮の葉模様がありません。
肛門の位置からして、ヨツアナカシパンのようです。
ヨツアナカシパンの一つには、直径2ミリほどの、かわいいかわいいフジツボもついています。
というわけで、処分計画は白紙に戻しました。
なんでもそうですが、カシパンの世界も奥が深いようです。
欠けたカシパンたちも、いろいろ語っていました。
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